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On the Production
by 井口健二
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■アイ・ウェイウェイは謝らない、ファントム開戦前夜、ケンとメリー・雨上がりの星空に、フィルス、僕たちの高原ホテル
絡が途絶え、ソ連艦隊は大規模な捜索を開始。
一方、米英が共同で設置したソナー監視網は3月8日に爆発
と思われる音響を観測しており、その三角測量に基づく搜索
で深さ4900mに沈む潜水艦を発見。その後に引き上げを試み
るが、艦首の一部しか回収できなかったとされる。
ただし特別に建造されたサルベージ艦で行われた引き上げ作
業は極秘扱いとされ、実は艦体は全て引き上げられ、そこに
は重大な秘密が隠され、それをCIAが隠匿した…というの
が、都市伝説のようだ。
本作はそんな都市伝説を踏まえたもので、従って内容はキャ
サリン・ビグローが監督した2002年紹介作などに比べるとか
なり荒唐無稽。ただまあ1968年当時の米ソ冷戦時代を考える
と、こんな事がなかったとは言い切れないかな。
共演は、2011年10月紹介『ドライブ・アングリー3D』など
のウィリアム・フィクトナー、1995年『キルトに綴る愛』な
どのジョナサン・シェック。また今年2月紹介『ノー・ワン
・リヴズ』などのデレク・マジャール、テレビ版『インディ
・ジョーンズ』のショーン・パトリック・フラナリーらが脇
を固めている。
脚本と監督は、2007年9月紹介『ロンリーハート』などのト
ッド・ロビンスン。因に監督は、1996年リドリー・スコット
監督の『白い嵐』で製作と脚本を手掛けており、その関係な
のか本作のエンドクレジットにはトニー・スコットへの特別
な謝辞があった。
またエンドクレジットでは、model production coordinator
という項目にFantasy IIの会社名を発見。この会社は1984年
『ターミネーター』の特撮なども担当していたが、CGI−
VFX時代の今でも頑張っているのが嬉しいものだ。
『ケンとメリー・雨上がりの星空に』
竹中直人を主演に迎えて、故深作欣二監督の息子の深作健太
が監督したマレーシアが舞台のロードムーヴィ?
竹中が演じるのは商社の中堅営業マン。その主人公の乗った
クアラルンプール行の飛行機が嵐のためにマレーシア国内の
別の飛行場に緊急着陸するところから物語は始まる。彼はマ
レーシアの取引先に商品見本を届けるためにやってきなのだ
が、実は彼には別の目的もあった。
その真の目的は、2日後にクアラルンプールで行われる1人
娘の結婚式を阻止すること。妻に先立たれた主人公が、男手
一つで育てた娘は、厳しい父親に反発して海外に飛び出し、
ボランティア活動で出会った現地の男性と結婚すると言って
きたのだ。しかも父親の出席は拒絶。
そのため断固式を阻止するべくやって来た主人公だが、到着
したのはクアラルンプールから遠く離れたジョホールバル。
しかも商品見本の荷物が大きいために連絡バスに乗ることも
拒否されてしまう。しかしそこに長距離トラックの運転手が
声を掛け、クアラルンプールに向う事になるのだが…
それはとんでもない珍道中の始まりだった。
共演は、娘役に北乃きいと、運転手役はアジア男性初のルイ
・ヴィトン専属モデルで、日本のテレビや映画でも活躍した
中国人俳優のフー・ビン。主人公との珍道中ではコミカルな
役どころをよく演じていた。
登場するトラックはかなりのデコトラで、それは1970年代後
半に人気を博した東映映画『トラック野郎』を連想させる。
その主人公2人組を竹中、フー・ビンが再現している感じも
するものだ。
そして主題歌にフィーチャーされているのが、2009年に他界
した忌野清志郎が歌う『雨上がりの星空に』。和製ロックの
名曲と言われるRCサクセションの楽曲が、作品中では忌野
だけでなく、中国語版や主人公らの演奏でも登場する。
物語は、竹中、北乃が演じる親子の情愛や、それに絡むフー
・ビンの行動などがコミカルに描かれ、そこにマレーシアの
現状などもそれなりに織り込まれて、全体はテンポ良く楽し
める作品になっていた。
なお本作は、11月9日から全国の109シネマズ他で劇場公
開されるが、その前に11月6日からネットで有料配信される
というもの。料金は共に1000円だそうで、同様の形態では他
に3作品も予定されている。
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09月22日(日)
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