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On the Production
by 井口健二
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■ペーパーB、ディアトロフI、アップサイドダウン、イントゥ・ダークネス、アイス、エンド・オブ・W、パニック・マーケット、I・ベルイマン
が、実は物語の中には映画化もある著名なSF小説や、こち
らも過去に映画化されたアメリカ軍部のオカルト実験などへ
の言及もあり、SF映画ファンには正しくニヤリとする展開
になっている。
脚本はヴィクラン・ウィート。今までは主にテレビシリーズ
の裏方などをしてきた作者の第1作とのことだ。そしてこの
脚本からハーリンが演出したものだが、その冬山登山の描写
などは、さすが1993年『クリフハンガー』も手掛けた監督の
手腕が発揮されたと言える作品にもなっている。
出演は、ジェマ・アトキンスン、リチャード・レイド、マッ
ト・ストーキー、ルーク・オルブライト、ホーリー・ゴス。
この内、アトキンスンはイギリスのテレビシリーズなどにも
レギュラー出演して、本作の後には“Night of the Living
3D Dead”という作品に主演もしているようだが、基本的に
は新人たちが中心の配役のようだ。
出だしは有り勝ちなファウンド・フッテージ物だが、内容は
UFOから未知生物まで多岐に亙っていて、これで話は纏ま
るのかなと心配していたら、そこからの決着は多少意外性も
あって面白かった。また、実際にロシアの冬山やその近辺で
ロケしたらしい映像もそれなりの効果を上げていた。
公開は8月10日から、ヒューマントラストシネマ渋谷など、
全国順次で行われる。
『アップサイドダウン/重力の恋人』“Upside Down”
サム・ライミ版『スパイダーマン』でMJ役のキルスティン
・ダンストと、昨年12月紹介『クラウド・アトラス』などの
ジム・スタージェスの共演で、2つの重力方向を持つ世界に
暮らす男女を描いたSF作品。
設定の説明は最初にあって、極めて接近した双子惑星が作り
出した奇跡の世界。それぞれの世界の物体には属性があり、
属する世界の重力に従う。そして主人公は彼らが呼ぶ「下の
世界」に属し、その世界は繁栄する「上の世界」に搾取され
ていた。
そんな2つの世界の地勢は対称形のようで、互の山の頂上は
手を伸ばせば届きそうに接近している。その山の頂上で2人
は出逢った。しかし2つの世界の人間の交流は厳しく規制さ
れており、発見された2人は引き離されてしまうが、年月が
経ち主人公は、「上の世界」に近づく方法を発見する。
荒廃した「下の世界」の頭上に、繁栄する「上の世界」が広
がっている。そのヴィジュアルは面白いし、中でも上下の世
界が繋がっているオフィス最上階の風景や、「上の世界」か
らロープウェイで訪れる「下の世界」のレストランなどは、
その情景が最初にあったのだろうと思わせるものだ。
ただSFとして見た場合に、その間を結びつけるいくつかの
設定が如何にもご都合主義な感じで、正直に言って辻褄も良
くは合っておらず、多少面はゆい感じがしてしまった。特に
太陽光線は何処から差してくるのかなど、SF考証として問
題な点も散見される。
でもまあ、ファンタシーといことで一般的には許されてしま
うのかな。とりあえずヴィジュアルの面白さを楽しめばいい
という作品だろう。
脚本と監督は、アルゼンチン出身のフアン・ソラナス。長編
作品は2作目だが以前はCMやミュージックヴィデオを手掛
けていたそうで、ヴィジュアル先行作品は頷けるところだ。
でも脚本には誰かSFの判っている人がアドヴァイスして欲
しかったところだ。
共演者では『ハリー・ポッター』シリーズなどのティモシー
・スポールらが登場している。
公開は9月7日から、東京は角川シネマ有楽町、ヒューマン
トラストシネマ渋谷他でロードショウされる。
『スター・トレック イントゥ・ダークネス』
“Star Trek Into Darkness”
2009年『スター・トレック』の同じ監督、キャストによる続
編。前作の時はマスコミ試写には招かれなかったが、今回は
観させて貰えた。
その物語は、ファンにはTOS(The Original Series)と
呼ばれる最初のテレビシリーズに基づくもので、ジェームズ
・T・カーク船長の下、スポック、マッコイ、スコッティ、
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06月30日(日)
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