ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459994hit]

■怪特探、サイレントヒル・リベレーション、フッテージ、アンチヴァイラル、ファインド・アウト、俺俺、私のオオカミ少年、SHORT PEACE
面もあって、その辺がコナミ的には今一つだったのかな。
それに対して本作では、ホラーゲームらしいショックシーン
やアクションシーンも随所に登場し、よりヴィデオゲームを
プレイしている感覚に近くなっている感じはするものだ。
とは言うものの本作でも、サイレントヒルの光景は印象的に
描かれており、特に今回は3Dでも上映される白い灰の舞う
様子は、スクリーンが視野一杯に拡がる状況で観たら、正に
観客自身がその中にいる感覚になると思えるものだ。
出演は、今年2月紹介『ノー・ワン・リヴズ』や昨年8月紹
介『ヴァンパイア』などの新星アデレイド・クレメンスと、
イギリスの舞台で受賞歴もあるという若手俳優のキット・ハ
リントン。
さらに、『マトリックス』のキャリー=アン・モス、『時計
じかけのオレンジ』のマルカム・マクダウェルらが脇を固め
ている。
因にバセット監督は、2009年“Solomon Kane”の映画化にも
携わっており、その際の製作者が本作や『バイオハザード』
も手掛けるサミュエル・ハディダで、それが今回の起用に繋
がったものとのことだ。

『フッテージ』“Sinister”
昨年10月紹介『パラノーマル・アクティビティ4』の製作者
ジェイスン・ブラムと、2005年12月『エミリー・ローズ』な
どを手掛けたスコット・デリクスン監督が、2010年9月紹介
『デイブレイカー』などのイーサン・ホークを主演に迎えた
8ミリフィルムが主題のホラー作品。
物語は、住宅街の一軒家に一家が引っ越してくる様子から始
まる。その家には何か経緯があるようだが、そこでは明らか
にされない。そして一家の主は、過去に警察の腐敗を暴いた
ドキュメンタリーをベストセラーにした作家のようだ。
そんな一家の引越しだが、幼い娘は前の家に帰りたいと言い
続けるなど、不穏な雰囲気も漂っている。そして主人公は、
屋根裏部屋で一家の物ではない8ミリフィルムと映写機の収
められた箱を見つける。そのフィルム缶には家族映画らしい
様々なタイトルが付されていたが…
実は一家の引っ越してきた家は、数年前に皆殺しの惨劇が発
生した場所。主人公はその家でその惨劇のドキュメンタリー
を執筆しようとしていた。しかも発見された8ミリフィルム
にはその惨劇の模様が撮されてた。
『パラノーマル・アクティビティ』はホームヴィデオを主題
としたものだったが、本作は一時代前の8ミリ映画。そんな
映画ファンをニヤリとさせる設定を使って、フィルム特有の
感覚も随所に描かれた作品。しかもそこにPCによる映像編
集機能も介在させるというトリッキーな作品だ。
共演は、イギリス王立演劇アカデミー出身の舞台女優で本作
がハリウッドデビューとなるジリエット・ライアンス。
他に、テレビ“Law & Order”などのフレッド・ダルトン・
トムプスン、2011年6月紹介『スリー・デイズ』に出ていた
というジェイムス・ランサム、昨年7月紹介『WIN WIN』に
出ていたというクレア・フォーリーらが脇を固めている。
事件の流れは観客にはかなり早い時期に判明するが、そこに
行ってしまう主人公の対応には不自然さがなく、その辺は巧
みに演出されていたと言えそうだ。ただまあその通りの結末
になってしまうのは、もう少し捻りがあっても良かったとは
思えたが。
なお、本作の撮影監督には2005年1月紹介『エターナル・サ
ンシャイン』などのクリストファー・ノア、美術に『トワイ
ライト・サーガ/ニュームーン』のデイヴィッド・ブリスピ
ン、衣装に2009年12月紹介『フローズン・リバー』のアビー
・オサリバン、編集に2009年6月紹介『96時間』のフレデ
リック・トラヴァルなど俊英が結集しているようだ。

『アンチヴァイラル』“Antiviral”
鬼才デイヴィッド・クローネンバーグ監督の長男ブランドン
による監督デビュー作。その作品に、2011年10月紹介『ラス
ト・エクソシズム』などのケイレブ・ランドリー・ジョーン
ズ、今年2月紹介『コズモポリス』などのサラ・ガドン、そ
れにマルカム・マクダウェルらが結集した。

[5]続きを読む

04月10日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る