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On the Production
by 井口健二
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■カーズ2、さすらいの女神、ハートブレイカー、東京人間喜劇、レジェンド・オブ・フィスト、イースターラビット、ランゴ+Man of Steel
了され、彼女たちを引き連れてフランスに凱旋する。しかし
彼が興行を仕掛けられるのは海岸線の湊町ばかり。それでも
ショウは成功を納め続けるが、肝心のパリ進出には彼の過去
が邪魔をする。
そんな主人公の焦燥やダンサーたちとの交流の物語が、謎め
いた彼の過去を徐々に明かしながら展開されて行く。
アマルリック以外の出演は、実際に「ニュー・バーレスク」
のショウダンサーとして活躍している女性たちだそうで、今
までにはショウを題材にしたドキュメンタリーなどへの登場
はあるものの、劇映画には初出演という人たちだそうだ。
しかしアマルリック自身が、自分が初めて映画を出演したと
きの経験に踏まえて「映画は演劇と違い、経験が無くても、
監督に愛があれば映画俳優にすることができる」という考え
で、彼女たちから素晴らしい演技を引き出している。
そして映画に登場するショウのシーンは、すべて彼女たちが
自らの演出で普段から演じているものだそうで、その中には
大型の風船を使ったものや、ちょっと怪奇なものなどヴァラ
エティに富んだショウが描かれていた。
他に映画には、2007年2月紹介『恋愛睡眠のすすめ』などの
オレリア・プティ、映画監督のダミアン・オドゥール、映画
批評家のアンドレ・S・ラバルト、2002年12月紹介『銀幕の
メモワール』などの監督のピエール・グランブラ。
さらに3月紹介『黄色い星の子供たち』に出演のアンヌ・ブ
ノア、次に紹介する『ハートブレイカー』ではトップ共演者
のジュリー・フェリエらが出演している。
また本作は、ルアーブル、ナント、サン=ナゼール、ラ・ロ
ッシェル、そしてオレロン島などのフランスの海岸線を巡る
ロード・ムーヴィにもなっている。

『ハートブレイカー』“L'arnacoeur”
リュック・ベッソン監督の許で1999年『ジャンヌ・ダルク』
の第2班監督なども務めたパスカル・ショメイユ監督による
長編デビュー作。6月18日付紹介「フランス映画祭2011」で
も上映されたが、今秋からの一般公開に向けた試写が行われ
た。
物語は、題名の通りに女性のハートを打ち砕くもの。それは
結婚が女性に不幸をもたらすと考えられた時に家族や親友の
依頼によって実行される。そして主人公は対象の女性に接近
し、彼女に真実の愛を教えることで誤った結婚を阻止すると
いうのだが…
それはまあ、恋は盲目とも言うから、世間には見た目だけで
誤った結婚をしてしまう女性はいるのだろう。そこで主人公
が、取り敢えずその目の曇りを取り除いて、彼女を真の愛に
目覚めさせることは、それなりに意味があることかも知れな
い。
しかも、その主人公が対象女性に接近する手段ときたら…。
この辺は、映画史的にも優れた恋愛映画を数多く生み出して
きたフランス映画ならではの作品、とも言えそうだ。さらに
そこにはハリウッド的な要素も少し加えられていた。
そして今回の依頼は、父親からの妻の死後に疎遠になった娘
の結婚を阻止して欲しいというもの。それは大金持ちの男性
の玉の輿に乗るもので、それ自体には問題が無いように見え
る。しかも対象の女性は、母親の死後は独力で生活して独立
心も強かった。
その上、結婚式までの期限は1週間、それまでに主人公は彼
女の心を射止めることができるのか。この難題に立ち向かう
主人公だったが、彼には他にもその仕事を成功させなければ
ならない理由があった。
出演は、2005年7月紹介『真夜中のピアニスト』などのロマ
ン・デュリス、シリアスな作品の多い俳優のロマンティック
・コメディ初挑戦だそうだ。相手役は、歌手/女優でジョニ
ー・デップの実生活のパートナーとしても知られるヴァネッ
サ・パラディ。
他には、2007年12月紹介『Mr.ビーン/カンヌで大迷惑?!』
や『さすらいの女神たち』にも出演のジュリー・フェリエ、
2008年11月紹介『その男ヴァン・ダム』などのフランソワ・
ダミアンらが共演している。
さらに映画には、2005年5月紹介『ダンシング・ハバナ』の
基になった1987年“Dirty Dancing”がフィーチャーされ、

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07月24日(日)
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