ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■日輪の遺産、酔拳、チョン・ウチ、ヤバい経済学、エッセンシャル・キリング、デンデラ、POTC生命の泉+Terminator
り留め、山に住む女医の力で袁から受けた毒素も取り除かれ
る。しかし、袁に破れたことが痛手となった蘇は、妻が造る
酒に酔い痴れ、人格も変貌して行った。
そんなある日、蘇は山中で仙人と武神に出会い、彼らと共に
再び武術の道を進み始めたと妻に話す。ところが蘇の言葉を
信じられない妻は、単身、袁に拉致された息子の救出に向か
ってしまう。そしてその後を追った蘇は…
原題は「物乞いの蘇」という意味で、蘇燦に付けられた別名
とされる。そして映画では、前半で蘇が酔拳を会得するまで
が描かれ、後半では「物乞いの蘇」としての活躍を描く2部
構成の作品になっている。
さらにその前半は、VFXも多用された正に伝説という感じ
のファンタスティックな作品に仕上げられており、後半では
ある程度リアルな格闘技としての酔拳が披露される。しかも
それが、10分と間隔を置かないアクションの連続で描かれて
いるものだ。
物語は2部構成である分、多少連続性に欠ける感じもしてし
まうが、VFXあり、CGIあり、ワイアーありのアクショ
ンシーンは、それぞれ存分に楽しめる。ただまあ、ジャッキ
ー作品のような身体を張った感じが薄れるのは致し方ないと
ころもあるが。
出演は、2003年5月紹介『ブルー・エンカウンター』に出演
していたチウ・マンチェク、昨年6月紹介『北京の自転車』
などのジョウ・シュン、昨年11月紹介『MAD探偵』などの
アンディ・オン。
さらに、ミシェル・ヨー、ジェイ・チョウ、デイヴィッド・
キャラダインら国際的に活躍する俳優が顔を揃えているのは
ウーピン監督のお陰と言えそうだ。因に、2009年バンコクで
客死したキャラダインは、本作が遺作の1本となっている。
なお本作の香港での公開の際は、蘇と武神の戦いのシーンが
3Dになっていたそうだが、僕の観た試写は2Dで上映され
ていた。日本公開がどうなるのか不明だが、できたら3D版
も観てみたいものだ。

『チョン・ウチ〜時空道士』“田禹治/전우치”
500年前の朝鮮時代に実在したとされる道士チョン・ウチ。
韓国の古典英雄小説にも描かれるその道士を現代に甦らせ、
妖怪との壮絶な闘いを描いたアクション作品。
物語の発端は500年前。天の牢獄に妖怪を封じようとした仙
人たちの策略が手違いで失敗し、妖怪が地上に放たれる。そ
こでその責任を取るべく地上に降り立った3人の仙人は、地
上の道士ファダムの手を借りて妖怪の捕獲に奔走する。
一方、高名な道士チョングァンの不肖の弟子チョン・ウチが
妖怪の力を封じる神秘の笛を手に入れる。ところがその笛の
力はファダムが人間でないことを明らかにし、ファダムは笛
を手に入れようとチョングァンを殺害、その罪をチョン・ウ
チに被せる。
このためチョン・ウチは仙人たちによって掛け軸に封じられ
ることになるが、その瞬間、彼は笛の一部をファダムから奪
い返し、そのまま掛け軸の中に封じられてしまう。そしてそ
の封印は500年間は解かれないものだった。
時代は変って500年後の現代、不老不死の3人の仙人は姿を
変えて今も地上に暮らしていたが、その彼らの前に再び妖怪
が姿を現わす。そこで3人の仙人はチョン・ウチの封印を解
き、妖怪退治を手伝わせようとするのだが…
元々性格が無邪気なチョン・ウチは現代に来ても羽を伸ばす
ばかり、さらに500年前に巡り会った女にそっくりな女性を
見つけて言い寄り始め、そこにファダムも甦ってくる。
主演は、昨年8月紹介『義兄弟』などのカン・ドンウォン。
甘いマスクで日本でも人気の韓流スターが、本作ではコミカ
ルな演技から壮絶なアクションまで、その魅力を存分に発揮
しているものだ。
共演は、2005年9月紹介『ビッグ・スウィンドル』などのキ
ム・ユンソク、2008年8月紹介『ハピネス』などのイム・ス
ジョン、それに昨年10月紹介『黒く濁る村』などのユ・ヘジ
ン。監督は『ビッグ・スウィンドル』のチェ・ドンフンが手
掛けている。
物語は、500年前と現代の2部構成のものだが、その両方を

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05月15日(日)
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