ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■サンザシの樹の下で、いのちの子ども
こには民族間に横たわる数々の問題や確執が渦巻いていた。
作品は幼い命を救うために奔走する人々の姿を描き、そこに
は篤志や偶然?やいろいろな出来事が描かれている。その一
方で、作品はパレスチナ問題の歴史的な深さや現状の問題を
炙り出す。
例えば幼児の母親は、医師とは英語で会話するほどの教養の
持ち主のようだが、彼女が時折々に見せるパレスチナ人とし
ての考え方やイスラムの教えは、ある意味震撼とさせるもの
があったりもする。
折しも試写から帰宅したらアメリカ軍によるビン・ラーディ
ン殺害のニュースが流れていたが、問題はそれだけで済むも
のではない。それでもそれらを乗り越えて行こうとする人々
の姿が、微かな希望としてこの作品には描かれていた。
なお映画に登場する産科医は、2009年のノーベル平和賞候補
にも挙がったことのある人物だそうだ。
こういう人々の真剣な姿を観ると、軽薄なヴァラエティ番組
で世界中の戦場を飛び回っていると自称する戦場カメラマン
とかいう連中には、単にお前が戦争が好きなだけでしょうと
言いたくなる。そんな気分にもさせられる作品だった。
* *
今回はGWの連休中なので紹介は2本のみです。それで、
製作ニュースを纏めて…、と思ったのですが、前回報告した
入院の影響でデータの収集が滞っており、また情報はいくつ
かあるのですが目新しいのものもあまりないので、今回は割
愛します。
次回までには体制を立て直しますので、またよろしくお願
いいたします。
05月08日(日)
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