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On the Production
by 井口健二
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■恋するベーカリー、アイガー北壁+製作ニュース
奇なり」という感じのものだった。しかしこれが、正にこの
通り起きた出来事だったのだ。
さらにこの登攀がナチスの宣伝のために半ば強制的に行われ
たという話や、祖国から追放されたオーストリア人登山家の
話など、描かれている歴史的な事実にもいろいろ興味深いも
のがあった。これは正に歴史に翻弄された人々の話でもあっ
たのだ。
出演は、2009年6月紹介『バーダー・マインホフ』のヨハン
ナ・ヴォカレク、2006年3月紹介『戦場のアリア』や2008年
5月紹介『スピード・レーサー』にも出演のベンノ・フェル
マン、2003年公開『グッバイ、レーニン』などのフロリアン
・ルーカス。
他に2002年版『ソラリス』に出演のウルリッヒ・トゥクール
らが出演。また、2人のオーストリア人登山家を共にウィー
ン生まれのジーモン・シュヴァルツとゲオルク・グリードリ
ッヒが演じている。
監督は、CMやミュージックヴィデオ、また舞台演出やオペ
ラ演出なども手掛けるというフィリップ・シュテルツェル。
長編映画は2作目のようだが、観ていて凍えるような寒さを
感じるほどのしっかりとした演出を見せている。因に本作の
雪山シーンは、巨大な冷凍倉庫の中に極寒を再現して撮影さ
れているそうだ。
それにしても、快晴の陽を浴びていた北壁が一瞬にして雪山
に変貌するアイガーの驚異は1975年の作品にも描かれていた
が、7月だというのに雪が降り積もる山岳の恐怖は、本作で
はより明白に捉えられている感じがした。
ユングフラウ鉄道の状況なども判り易く描かれているし、目
と鼻の先にいながら助けることの出来ないもどかしさも、手
に取るように判る作品だった。
        *         *
 製作ニュースは、今回も目欲しいものはあまりないが、ま
ずは既報のシリーズ化が進む“Pirates of the Caribbean”
で、次の作品となる第4作の全米公開日を2011年5月20日に
決定したことが発表された。
 実はこの年の5月には、先にソニーから“Spider-Man 4”
の5日公開が発表されていて、どちらも第4弾となるVFX
大作の競合が心配されていたものだが。この発表の直前に今
年前半に予定されていた“Spider-Man 4”の実写撮影が脚本
完成の遅れにより困難になったという報道があり、ソニーか
らも公開延期が公式に発表されていた。そこで、当初は27日
と噂れていた“POTC 4”の全米公開日が繰り上げられること
になったものだ。
 ただし、元々このシリーズの全米興行では、最初の2作は
7月公開だったが、第3作の“At World's End”は5月25日
に封切られており、このタイミングでの公開は経験済み。夏
休み興行の先陣を切る5月、それも競合作のない公開は興行
的にもかなりの期待が持てそうだ。
 とはいうものの、実は“POTC 4”の製作も、昨年8月9日
付で報告したように年明け早々の撮影開始と言われていたも
のが今だに動き出しの報告はなく、脚本の進捗状況などに多
少の不安も生じている。
 ただしその内容に関しては、先に“On Stranger Tides”
という副題が発表されていて、さらに物語のエッセンスは、
PKD賞受賞者でもある作家のティム・パワーズが1988年に
発表した同名のファンタシー文学賞の候補作から取るという
報道もあり、キャラクターの変更などの問題は残るものの、
物語自体はできあがっていると考えられるものだ。
 因にその原作の物語は、カリブ海を舞台にして2人の海賊
が「若返りの泉」を求めて競争を繰り広げるものとのこと。
一方、映画の第4作は第3作が終った時点から始まるとの情
報もあり、すでにジョニー・デップとジェフリー・ラッシュ
の共演もあるとされている物語の展開では、第3作で死んだ
誰かを生き返らせるのでは…?という読みもあるようだ。
 監督は、既報の通り『シカゴ』『SAYURI』、そして
今春公開“Nine”のロブ・マーシャル。そろそろ撮影開始の
報告が聞きたいものだ。
        *         *
 この他の2011年の公開作品では、当初は6月17日から、一

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01月10日(日)
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