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On the Production
by 井口健二
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■クリスマス・キャロル、理想の彼氏、THIS IS IT、釣りバカ日誌20、キャピタリズム、いぬばか、ジュリー&ジュリア、2012
ティン・バーサが演じている。
また、1980年代の人気テレビ番組『爆発!デューク』に主演
のジョン・シュナイダーがカメオ的に出演している他、ケリ
ー・グールドとアンドリュー・チェリーという2人の子役が
見事な演技を見せてくれる。脚本と監督は、日本には初お目
見えのバート・フレインドリッチ。
女性はキャリアウーマンとしての立場を築いて行き、男性は
親離れができない。これでは2人の恋が実るはずもない。そ
んな2人がそれでも互いの関係を認め合い、お互いを不可欠
なものと認識して行く。その展開が見事に描かれた作品だっ
た。
『THIS IS IT』“This Is It”
今年6月に急逝したマイクル・ジャクスンが、今年の夏に予
定されていたワールドツアーに向けて準備していたライヴス
テージのリハーサルの模様を撮影したドキュメンタリー。
ショウそのものの演出を担当していた『ハイスクール・ミュ
ージカル』などのケニー・オルテガが、この映画版の監督も
務めており、恐らくはショウの構成に従ってリハーサルでの
パフォーマンスが紹介されて行く。
それは、衣裳こそ着けられてはいないが、正にショウそのも
のが全編を通して再現されているものであり、世界中でその
ショウを待っていたファンにとっては最高で最後の贈り物と
なったものだ。
しかもそこには、マイクルの音楽に対する姿勢やパフォーマ
ンスに関する考え方、さらには共演者に対する気遣いや家族
への思いなども語られる。その一方で、着られなかった衣裳
のデザインやコンサートに使用される予定だった映像なども
紹介され、正にコンサートの全貌が観られるものにもなって
いた。
僕自身はコンサートなどついぞ行ったことのない人間だが、
この作品を観ているとこの衣裳をマイクルが着ている姿を観
たかったなどとも思ってしまったものだ。でもそれは叶わぬ
こと、この作品を最後のプレゼントとして受け取らなくては
ならないのだ。
それにしても、それぞれのパフォーマンスごとに恐らくは何
10本もあったであろう記録映像を丁寧に切り貼りして、それ
ぞれの作品に仕上げている技術は素晴らしいもので、そこに
は画質ごとに別のスタイルにするなど観客の違和感を極力押
さえる工夫もされていた。
また、映画の中では1983年ジョン・ランディス監督で発表さ
れたプロモーションヴィデオの名作“Thriller”を3Dでリ
メイクしている現場も写し出されており、いつかその作品も
観せて貰いたくなったものだ。
なお、本作品はすでに公開されている(試写会は世界一斉の
封切り時刻の6時間前から2回だけ行われた)ものであり、
しかも公開期間が2週間の限定では、ここで紹介する効果が
どれほどあるかにも疑問を感じてしまうところだが、本作を
観たことを自分自身の記録として残しておきたい、そんな気
持ちにもさせてくれる作品だった。
『釣りバカ日誌20/ファイナル』
1988年からほぼ毎年1本ずつのペースで製作され、他に2本
のスペシャル版も公開された人気シリーズの第20話にして最
終話。
このシリーズに関しては、何故か昨年の『19』から試写状
を送って貰えるようになったものだが、それがあっという間
に最終話となってしまった。従って作品には特別な思い入れ
はないが、このようなプログラムピクチャーのシリーズが日
本映画を支えていた時期があったことも考えると、それが失
われることには残念という気持ちはするものだ。
お話は、いつものようにぐうたら営業部員でありながら、勤
務先の会社の創業者会長と昵懇の間柄の主人公が、今回は珍
しくも会社の業績に貢献したり、さらに北海道を舞台に会長
のバックグラウンドにも関る問題を解決する。
そしてそこには北海道での渓流釣りの風景や、その後にはち
ょっと驚くような仕掛けも施されていた。
さらに最終話ということで、映画のエンディングには各々の
登場人物が舞台から三方に向かって頭を下げるグランドフィ
ナーレの様式が取られていたり、それは華やかに締め括られ
ているものだ。
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11月01日(日)
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