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On the Production
by 井口健二
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■それでも恋するバルセロナ、お買いもの中毒な私!、アルマズ・プロジェクト、人生に乾杯!、ザ・スピリット、群青
主演は、2005年『ハッカビーズ』などのアイラ・フィッシャ
ー。共演は『ジェイン・オースティンの読書会』のヒュー・
ダンシー。
他に、ジョーン・キューザック、ジョン・グッドマン、クリ
スティン・スコット=トーマス、ジョン・リスゴー、『べガ
スの恋に勝つルール』のクリステン・リッター、『アイアン
マン』のレスリー・ビブら多彩な顔ぶれが脇を固めている。
監督は、1997年に『ベスト・フレンズ・ウェディング』を大
ヒットさせたP.J.ホーガン。2003年『ピーター・パン』以
来の久々の映画作品だ。製作は、『POTC』などのヒット
メーカー=ジェリー・ブラッカイマーによる作品。
なお映画では、買い物依存症の幻想をILMの見事なVFX
で描き出しているのも見ものになっている。

『アルマズ・プロジェクト』“Almaz Black Box”
1998年、ロシアの軍事宇宙ステーション=アルマズが消滅し
たという情報に基づく作品。
アルマズというのは旧ソ連の軍事衛星に付けられる名前だそ
うで、一般にはサリュートと呼ばれる内の2号、3号、5号
がそれぞれアルマズ1号〜3号と呼ばれているようだ。そし
てアルマズ4号も計画されたが、ソ連政府の崩壊で打ち上げ
はキャンセルされたという。
ソ連の宇宙ステーションでは、原子炉を積んで最後は2002年
インド洋に墜落したミュールが有名だが、アルマズはそれと
は別もので、兵器なども搭載して衛星撃墜など宇宙での軍事
研究も行われていたと考えられているようだ。
その他にもアルマズTと呼ばれる無人の衛星もあり、こちら
も4号機は計画のみで実施はされなかったとなっているが、
高精度のレーダーアンテナが搭載されて、特別な軍事研究が
計画されていたとのことだ。
そして今回は、そのアルマズの宇宙ステーションがウクライ
ナに墜落し、そのフライトレコーダー(ブラックボックス)
を政府機関に先んじて反政府組織が回収、その記録を公開す
るという触込みの作品…。
実は、本作の脚本監督に記載されているクリス・ジョンスト
ンというのは、2006年7月に紹介したアフガニスタン潜入レ
ポート『セプテンバー・テープ』のクリスチャン・ジョンス
トンのようで、また性懲りもなくという感じの作品になって
いる。
ただまあ今回は後半に多少捻りがあったりもして、それなり
に面白くはなってきた。それにしても、前作同様というか、
前作以上に画質が悪いのは、作品の設定上仕方ない面はある
のだが、もう少しまともな作品も撮ってもらいたいとは思っ
てしまうところだ。
本当に好きな人が一所懸命に作っている感じがして、その辺
は好感も持てる作品になっている。後は、トピックスとして
テレビ番組などで取り上げて貰えると面白いのだが、何年か
後に矢追純一辺りが、新発見の「事実」として紹介するのが
オチかな。
なお、劇中の子供の映像には、『2001年宇宙の旅』への
オマージュを感じさせるところもあるし、謎の映像としてア
レキサンドリアの位置を思わせるものや、巨大遺跡らしきも
のが写るのもニヤリとするところだ。その他にも、いろいろ
細かな点はありそうだ。

『人生に乾杯!』“Konyec”
81歳と70歳の老夫婦が年金だけでは暮らして行けなくなり、
銀行強盗を働いて…という現代の縮図のような物語を、ユー
モアを込めて描いたハンガリー映画。
年金の問題は、日本でもいろいろあると思われるが、旧共産
主義だった国家ではさらに問題は複雑になりそうだ。ただし
本作は、国家の体制に関わらず年金生活者というより老人に
関する普遍的な問題を描いているとも言えるものだ。
始まりは1950年代。しかしそこから時間は一気に飛んで現代
の老夫婦の物語が開幕する。その夫婦は81歳と70歳。慎まし
い暮らしぶるだが、年金だけでは家賃の催促にもなかなか応
じられなくなっている。そこはいろいろ機転を利かせたりし
て切り抜けていたが…
ある日、遂に思い出のアクセサリーを手放さざるを得なくな
った夫婦。そして81歳の夫は永年整備を怠らなかった60年代

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03月22日(日)
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