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On the Production
by 井口健二
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■ゴーストバスター、クンフーファイター、ファイヤーライン、バグズ・W、赤んぼ少女、幸せの1ページ、R'nRダイエット、超ウルトラ8兄弟
劇的なテーマが、かなりに胸に響く作品にもなっている。
それに加えて、『風雲ストームライダース』のアーロン・ク
ォックや、『男たちの挽歌』のティ・ロンらの見事なカンフ
ーアクションも見られるものだ。
2002年のチャン・イーモウ監督『HERO』などに出演の名
女優マギー・チャンが共演。また1978年『少林寺三十六房』
などを監督したラウ・カーリョンが武術指導を務めている。

『ファイヤーライン』“十萬火急”
6月28日に開催される香港レジェンド・シネマ・フェスティ
バルの1本として上映される日本未公開作品。
ジョニー・トー監督による1996年作品。自らの危険を顧みず
火災の中に飛び込んで行く消防士たちの活躍と、その裏にあ
る苦悩を描いて行く。
1991年にハリウッド映画の『バックドラフト』があって、そ
の同工異曲の作品ではあるが、描かれる大掛かりな火災シー
ンが、おそらく本物の火を使って撮影されているもので、そ
の迫力はかなりすごいものになっている。
主人公は、香港のとある消防署に勤務しているベテラン消防
士。昇任試験は受けているが、まず人命救助を優先し、直感
に頼って上司の命令に従わないそのやり方は、上からは良く
は思われていない。
しかし彼の行動は、同僚の消防隊員たちからは信頼されてお
り、彼らは共に窮地に飛び込んで行くことを躊躇しない。そ
んな主人公だったが、ある日、自殺しようとした女医を救助
したことから恋に落ち、ようやく人生の花を咲かせようとす
るが…
そんな時、違法建築された巨大工場で大規模な火災が発生。
その現場に急行した隊員たちは、上司の命令を無視して、取
り残された人々の救助のため果敢に火中へ飛び込んで行く。
だが、そこには想像を絶する困難が待ち構えていた。
この後半約40分間を占める大火災のシーンが見事に映像化さ
れている。しかもここでの展開は、出される上司の指示も状
況を考えれば納得できるものだし、それに対立する主人公た
ちの行動も現実的で無理の無いものになっており、この辺の
脚本は良く練られているように感じられた。
まあ、いろいろやりすぎの感じがする部分もない訳ではない
が、実際の火災の現場も恐らくはこんなものなのだろうし、
その雰囲気は体感できたものだ。
出演は、ラウ・チンワン、レイモンド・ウォン、アレックス
・フォン、カルメン・リー。いずれも日本での知名度は低い
人たちのようで、製作当時に日本公開されなかったのは、そ
の辺にも理由があったようだ。でも迫力満点のアクションは
見事だった。
なお、物語の中で主人公たちの所属する消防署の名前が何か
縁起の悪いことに関わる邪揄の対象になっているようで、そ
れが劇中何度か言及されていた。しかしその辺が字幕ではち
ょっと分り難く、映画を観ながら気になった。これは一体何
だったのだろうか?

『バグズ・ワールド』“La Citadelle assiégée”
西アフリカの内陸国ブルキナファソのサバンナを舞台に繰り
広げられる蟻たちの闘いを描いたドキュメンタリー。
サバンナに巨大な蟻塚を作り上げたオオキノコシロアリ。そ
の近くには別の蟻塚もあって時々襲われるが、白蟻の防御は
固く、中まで侵入されることはない。しかし、嵐の際に近く
の樹に落雷があり、倒木によって蟻塚の上部が崩されてしま
う。
このため雨水の侵入を食い止められなかった蟻塚は、内部か
ら崩壊の危機に陥るが、そこは働き蟻たちの奮闘によって最
悪の事態は回避される。だがその樹には巨大なハゲワシが留
まり、何やら不穏な雰囲気が漂い始める。
一方、サスライアリの大群が食料を求めてその地域に近づい
てくる。奴らは向かうところ敵なしで、巨大な蛇なども集団
で襲って食い尽くしてしまうほどのものだ。そして奴らはシ
ロアリの蟻塚を発見する…
最近流行りのいろいろな演出も含めたネイチャー・ドキュメ
ンタリーで、本作ではボロスコープと呼ばれるファイバース
コープを応用したHDカメラを用いて、蟻塚の内部までレン

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06月08日(日)
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