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On the Production
by 井口健二
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■ダンサーの純情、コルシカン・ファイル、ワル、カースド、ミュンヘン、モルタデロとフィレモン、マンダレイ
れているということだ。
というコルシカ島で全編撮影された作品で、レノが民族主義
者を演じ、しかも都会から来た主人公が右往左往するという
内容は、島民にはどうだったのか思うところだが、さすがに
レノとクラヴィエのコンビというのは強力だったようで、エ
ンディングに流れる島民へのインタヴューでもすんなりと受
け入れられていたようだ。
一方、映画には、主人公が雑種かと疑うコルシカ犬の純血種
(?)が登場したり、これはかなり迫力のある民俗芸能の男
声コーラスがフィーチャーされるなど、異国情緒は一杯で、
部外者の観客にはそれだけで楽しめる作品でもある。
ただし、『ル・ブレ』のアラン・ベルベリアンの演出は、前
作と同じく今回も、溜めと言うか情感を感じさせるところが
ほとんど無く、かなり荒っぽい印象を受ける。おかげで92分
という短い作品になってはいるが、何か物足りなさを感じて
しまうものだ。
もっとも、この作品はフランスで大ヒットしたそうだから、
それなりに受け入れられてはいるのだろう。これには強力な
主演コンビのおかげもあると思うが、詳しい動員の状況は判
らない。でも、僕はもう少し何かが欲しい気がしたのだが…

『ワル』
真樹日佐夫原作、影丸穣也作画の劇画を、真樹の製作脚本出
演、三池崇史監督、哀川翔の主演で映画化した作品。
剣道家を父に持つ氷室(哀川)は、広域指定暴力団との闘い
で犯した罪を咎められ、その服役中の刑務所で更級(真樹)
と出会う。そして出所後は、更級が主宰する世直し組織「地
平同」に参加。極東マフィアの資金源となる暴力組織を叩い
ては隠し金を吐き出させていた。
そんな氷室と更級に手を焼いた極東マフィア上層部は、2人
に対する絶対暗殺命令を発し、ついに更級が殺られる。そし
て氷室は弔い合戦を開始、湖上での決闘の末に更級殺しの犯
人を倒すが、氷室も一緒に湖底に沈んでしまう。
そして時が流れたある日。来日中の合衆国大統領夫人が誘拐
され、イラク派遣中の海自艦隊を撤収させる要求が首相官邸
に届けられる。ところが極秘でその対策が練られる中、一人
の男が夫人の奪還に成功してしまう。そして…
これに、最後は「ジャパン・アルカイダ」なる組織まで登場
して、氷室と極東マフィアとの壮絶な闘いが描かれる。まあ
元々劇画が原作ということで、かなり荒唐無稽にアクション
が繰り広げられる作品だが、悪意無く見ていれば結構楽しめ
るものだ。
それにアメリカ追従の現日本政府を批判する下りなどは、国
会議事堂の上に仁王立ちしたゴジラと同じで思想の左右に関
係なく溜飲が下がるものだ。そんなところも含めて、痛快と
言うには多少トーンが暗いが、それなりに見応えはあった。
それに剣道を主体にしたアクションも、哀川翔以下、かなり
頑張っている感じのものだ。三池監督作品は、僕にとっては
当たり外れが大きいように感じるが、今回は当たりだったと
言える。
またヴィデオ撮影の画像も、良好とは言い難いが劣悪と言う
ほどではなく。まあこんなものかなという程度だが、この辺
はプロジェクターの性能によるところも大きいようだ。

『カースド』“Cursed”
『エルム街の悪夢』『スクリーム』のウェス・クレイヴン監
督と、『スクリーム』の脚本家ケヴィン・ウィリアムスンが
再び組んだ作品。主演はクリスティーナ・リッチ、特殊メイ
クをリック・ベイカーが担当している。
テレビ局に勤めるエリー(リッチ)は、ある夜、内気な弟と
犬を載せて車で帰宅中、マルホランド・ドライヴで大型の獣
がフロントグラスにぶつかり、その弾みで対向車と接触。対
向車は崖下に落ちてしまう。
幸い対向車を運転していた女性は運転席に挟まれているだけ
で無事だったが、その直後、女性を救出しようとした彼らに
何者かが襲いかかる。そしてその何者かの攻撃で負傷した主
人公と弟と犬は、その血によって呪いを掛けられてしまう。
そして呪いの掛けられた姉弟と犬は、満月の晩に自らの意志
とは無関係に変身してしまう恐怖におびえながらも、その謎

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01月30日(月)
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