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On the Production
by 井口健二
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■第89回(後)
ジ・ロペスや、1994年のアカデミー賞外国語映画部門を受賞
した“Belle epoque”に出演のマリベル・ヴェルドゥ、アリ
アドナ・ジルらが共演し、7月に北部スペインで撮影開始さ
れることになっている。
 さらにデル=トロは、英語でアレクサンドル・デュマ原作
の“The Count of Monte Cristo”を撮る計画を進めている
他、同社からはスペインの新人監督ホアン・アントニオ・バ
ヨナによるゴーストストーリーで、“El Orfanato”という
作品の製作も計画されているようだ。
 しかし、人気監督の2人にはすでに各社と結ばれた契約も
残されており、デル=トロはリヴォルーションで“Hellboy
II”の脚本を手掛ける他、キュアロンはワーナーとの3年契
約の下で複数の計画が進行中とのこと。当分は大変の状況が
続きそうだが、頑張ってもらいたいものだ。
 なおこの会社にはもう1人、メキシコ出身で“21 Grams”
などのアレハンドロ・ゴンザレス・イナリトゥ監督も参加を
呼びかけるようだ。
        *         *
 次も、個人的な映画プロダクションの話題で、『ヘルレイ
ザー』などの小説家で映画監督のクライヴ・バーカーが、映
画製作者のジョージ・サラレジーと組んで、バーカ−が先に
発表した全6巻の短編集“The Books of Blood”や、彼のオ
リジナルアイデアに基づくホラー映画を、年2作ずつ製作し
て行く計画を発表している。
 そしてその第1作として、短編集に所載の作品から“The
Midnight Meat Train”の映画化が、レイクショアの資金調
達で製作されることになった。この作品は、ニューヨーク在
住の写真家が「地下鉄の殺人鬼」の噂を追求して行く内に、
邪悪な秘密に導かれて行くというもの。ジェフ・ビューラー
の脚色で、クリーチャーデザインのヴェテラン=パトリック
・タトポウロスが監督、この秋の撮影が予定されている。
 さらにバーカー原作の“Pig Blood Blues”がアンソニー
・ディブラシの脚本で、またバーカーのオリジナルアイデア
による“New York Resurrection”がジョン・ヘファーナン
の脚本で、それぞれ2006年に映画化が予定され、続いてバー
カーの原作から“Age of Desire”がチャールズ・カンツォ
ネッリによって脚色が進められているということだ。
 この他、バーカーとセラレジーは、ハル・メイスンバーグ
とティール・ミントンによるオリジナル脚本“The Plague”
という作品を、メイスンバーグ監督でこの夏に撮影を計画し
ており、さらに、ロリ・ラーキンという脚本家のオリジナル
アイデアによる“Revelation”という計画も進めている。 
 そしてこれらの作品では、全ての脚本にバーカーが最終的
な磨きを掛けるということで、バーカーはこれらの作品を全
てRレイトに仕上げるとしている。またバーカーは、「自分
がPG−13の作品を作ったら、遠慮なく外に連れ出して撃って
くれ。我々の望みは、あなたたちが我々はちょっと狂ってい
ると思ってくれることだ」と抱負を述べたということで、か
なり飛んでる映画が作られそうだ。
 またこのプロダクションでは、旧作のリメイクやシリーズ
化も目指すとしているが、それらも単に温め直したような作
品ではなく、常に新鮮なものが盛り込まれた作品を作り出す
ということだ。
 配給会社は、資金調達などの関係で作品ごとにばらばらに
なりそうだが、ちょっと期待して見ていきたい。
        *         *
 最後に短いニュースを2つ。
 まずはソニーから、“Monsters Imc.”の脚本家コンビ、
ロバート・L・ベアードとダニエル・ガースンのオリジナル
脚本による“Monster Hunter”の映画化を、ウィル・スミス
の製作で行うという計画が発表された。 
 この作品は、ビッグスケールの実写によるファミリー・ア
ドベンチャーということで、主演には“Hitch”(最後の恋
のはじめかた)でスミスと共演したケヴィン・ジェイムズの
起用が報告されている。
 そして彼が演じるのは、子供相手の精神科医の役で、実は

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06月16日(木)
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