ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■ロング・エンゲージメント、エターナル・サンシャイン、レクイエム、ライトニング・イン・ア・ボトル、アイ・アム・デビッド、コーラス
ための乗車駅から逆方向の電車に乗り、人影もまばらな海岸
を訪れる。そこで1人の女性(ウィンスレット)と出会い、
2人は思いもかけず意気投合してしまうのだが…     
上記の設定でこの発端、これだけで物語は大方読めてしまい
そうなものだが、これが一筋縄では行かないのがカウフマン
の魅力だ。といっても、別段トリッキーな物語ではない。実
にありそうな物語が、ちょっと異常な設定の中で見事に進め
られる。                       
カウフマンの脚本では、いつも設定にオーソドックスな映画
からはかけ離れたものが提示されるが、その基本にあるのは
人への信頼のように感じる。見た目は奇を衒ったような展開
の物語だけれど、大元がいつも暖かいと感じられるのだ。 
キルスティン・ダンストのサイドストーリーも良いし、さら
にイライジャ・ウッドの絡みも納得できるものだった。そし
てこれらが絶妙のバランスで描かれる。すでにゴールデング
ローブの脚本賞を受賞したのも分かるところだ。     
その他、思わず頬が緩むような描写(待合室に注目)なども
あり、1時間47分が短く感じられる作品だった。     
                           
『レクイエム』“Wake of Death”            
ウェズリー・スナイプス主演の『アウト・オブ・タイム』、
スティーヴン・セガール主演の『一撃』とセットで公開され
るアクションシリーズの一篇で、本編の主演はジャン・クロ
ード・ヴァンダム。                  
舞台はロサンゼルス(ただし撮影のほとんどは南アフリカ、
ケープタウンで行われたようだ)。マルセイユを起源とする
組織のナイトクラブで用心棒をしている主人公が、惨殺され
た妻の復讐のため中国系組織の首領と対決する。     
物語をもう少し詳しく書こうと思ったのだが、どうにも展開
がいい加減で、お話がうまくまとめられなかった。まあ所詮
B級のアクション映画なのだから、これで良いのかもしれな
いが、ちょっと度が過ぎる感じだ。           
しかもよく人の死ぬお話で、これもB級のアクション映画だ
から仕方がないと言われればそれまでだが…       
ということで頭を切り替えて、B級のアクション映画の魅力
ということで考えれば、カーアクションからバイクアクショ
ン、銃撃戦に格闘戦、さらにベッドシーンと、何しろてんこ
盛り。しかも爆発に至ってはかなり大掛かりなものが仕掛け
られている。この爆破シーンについては、主演にヴァンダム
を迎えたことで製作費が上積みされたとかで、成るほどそう
いう効果もあるのかと再認識した。           
作品の全体を見ても、これだけサーヴィス精神を旺盛に描い
てくれれば、それなりの価値はあると言わざるを得ない感じ
だ。残念ながら他の2本は試写を見逃したが、このレヴェル
で揃っているなら、まあ文句を言う人は少ないだろう。  
でもこの3人は、もっとA級の作品でも活躍しそうな顔触れ
だが、最近のアクション映画はVFX全盛で、なかなかこの
人たちに陽が当たらないのかも知れない。そう言った意味で
も、これらの作品が日本で公開されたことに価値があると言
えそうだ。                      
                           
『ライトニング・イン・ア・ボトル』          
               “Lightning in a Bottle”
2003年2月7日に、ブルース誕生100年を記念してニューヨ
ークのラジオシティ・ミュージックホールで開催されたコン
サート「Salute to the Blues」の模様を収録したドキュメ
ンタリー。                      
製作総指揮というかコンサート自体の主催をマーティン・ス
コセッシが務めており、監督は『キング・アーサー』などの
アントワン・フークアが担当。オリジナルのコンサートは5

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01月30日(日)
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