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On the Production
by 井口健二
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■第55回
Two Towers”が食い込み、8位に“Finding Nemo”、16位に
“The Pirates of Caribbean”、18位に“LotR: The Return
of the King”が入ることとなった。
 ただしこの内の“LotR: The Return of the King”につい
ては、まだまだ数字は伸びる可能性があり、3億1478万ドル
で現在11位にランクされている“LotR: The Fellowship of
the Ring”から尻上がりに数字が高くなっている事実と考え
あわせると、史上6作目の4億ドル突破の可能性も見えて来
ている。後は賞レースの行方次第という感じだが、出来れば
アカデミー賞の作品賞を期待したいところだ。
        *         *
 さて以下は、製作ニュースを紹介することにしよう。
 まずは昨年度、実写では第1位となる興行成績を記録した
“The Pirates of Caribbean”に主演のジョニー・デップの
最新情報で、第41回でも紹介したジョン・マルコヴィッチ共
演“The Libertine”の撮影が、2月23日にロンドン郊外で
開始されることが発表された。
 この作品は以前にも紹介したように、17世紀のイギリスの
詩人で、国王チャールズ2世の側近でもあったジョン・ウィ
ルモット・ロチェスターの生涯を描くもの。元はマルコヴィ
ッチがロチェスター役を演じた舞台劇の映画化だが、1996年
のシカゴ・ステッペンウルフ劇場での初演の時から、マルコ
ヴィッチは映画化に値する作品と考え、その際にはデップに
主演してもらいたいと考えていたそうだ。
 それがようやく実現する訳だが、前回も紹介した総製作費
の1600万ドルは、現在ハリウッド作品がデップに出演交渉す
る際の最低金額にも満たないということで、これが実現する
のは、デップ自身がハリウッドの大型予算の作品と、インデ
ィーズの小規模な作品に交互に出演したいという希望を持っ
ているからだということだ。
 また、今回の映画化実現までに8年も掛かってしまったこ
とについては、資金調達の問題もあったが、他方で上演時に
かなり話題にされた猥褻性の問題があり、それを芸術性を損
わずにソフト化するために時間が必要だったということだ。
そして映画のレイティングがNC-17になったらどうするかと
いう問いに対し製作担当者は、「質問の意味は理解するが、
そのような恐れはない」という回答だったそうだ。
 まあ、現状で気になるのは“The Pirates of Caribbean”
で増えているはずの子供のファンがどう反応するかだが、公
開までには1年以上が掛かると予想される作品では、それま
でに別の作品も何本か公開される予定になっており、それほ
ど気にすることもないというところだろう。
 因にデップの作品では、すでにアメリカでは“Once Upon
a Time in Mexico”(レジェンド・オブ・メキシコ)が昨年
9月に公開(5585万ドル、52位:日本は陽春予定)されてい
るが、他にも第14回で紹介した“J.M.Barrie's Neverland”
と、スティーヴン・キング原作の“Secret Window”が待機
中で、後者は2004年8月全米公開、日本は2005年の予定にな
っている。
 また、今回発表された“The Libertine”に続いては、す
でに紹介している“Charlie and the Chocolate Factory”
と、“The Pirates of Caribbean 2”への出演も本人が希望
しているそうだ。
        *         *
 ところで、デップ関連の情報ではもう1本、第52回で紹介
した“Diamond Dead”の主演にもオファーされていたことが
公表された。
 これは、昨年12月に同作品の公式ホームページに掲載され
た情報で、監督のジョージ・A・ロメロが直接デップに出演
依頼の手紙を出したということだ。それによると、ロメロは
主役の一人バンドリーダーDr.D役にデップの出演を希望し、
他に主人公の女性シンガー役には『ホワイトオランダー』な
どのアリスン・ローマン、また死神役にはデヴィッド・ボウ
イかサー・イアン・マッケランを希望しているようだ。なお
この死神役には、当初はクリストファー・リーを希望してい
たという情報もある。

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01月15日(木)
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