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On the Production
by 井口健二
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■第54回
のジョン・ミリウス監督作品『若き勇者たち』から採られた
という噂が広まっている。
この作品は、原題が“The Red Dawn”というもので、作戦
名からOperationが取れたもの。これだけなら偶然の一致と
いうこともありそうだが、実は作戦の中で場所を示すのに使
われたWolverine One, Twoという名称が、映画の中で使われ
た主人公たちのチームの名前と同じだというのだ。
ここまで来ると、確かに関連はありそうだが、元々『若き
勇者たち』という作品は、当時の政治状況を背景に、突然ソ
連に占領されたアメリカ合衆国の高校生グループが、山に立
て籠り占領軍にゲリラ戦を挑むというもので、正直に言って
かなり右寄りの作品。ミリウス自身がそういう政治思想の持
ち主ということで、さもありなんという作品ではあるが、軍
事関係者にはかなりファンも多いということで、今回の作戦
名に採用された可能性は高そうだ。
因に映画は、パトリック・スウェイジ、C・トーマス・ハ
ウェル、それに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に出る
直前のリー・トムプスンが主人公の高校生を演じ、アメリカ
のガイドブックでの評価は星1つ半となっている。
ついでにミリウス監督の情報で、既報の“Conan”の新作
の計画は、アーノルド・シュワルツェネッガーのカリフォル
ニア州知事就任で実現不可能になってしまったが、ミリウス
自身は、彼の知事就任は大歓迎だとしているようだ。そして
ミリウスの次回作には、プロレスラーのトリプル・Hを主演
に抜擢したオートバイを使った西部劇の計画が進められてお
り、ミリウスは起用するレスラーに対して、次世代のシュワ
ルツェネッガーを期待しているということだ。
* *
以下は、通常の製作ニュースを紹介しよう。
まずは続報。第48回で紹介した“The Amityvill Horror”
の再度の映画化の計画が面白くなってきた。
この計画で、前の紹介時にエメット/ファーラが進めてい
た計画は、その後、ミラマックス傘下のジャンルブランド=
ディメンションが買い上げ、さらにディメンションは、元々
の屋敷の住人だったジョージ・ランツから、映画化権と製作
への協力を取り付けて、製作準備を本格化させていた。
これに対して、1979年版の映画の権利を保有するMGMも
リメイクの計画を立上げ、一時は競作の可能性も出てきてい
た。しかし現状での競作は共倒れになる可能性が大きいと判
断した両社は、このほど2つの計画を合体して、1本の映画
として進めることを発表したものだ。
なお計画では、先に“The Texas Chainsaw Massacre”の
リメイクを成功させたマイクル・ベイ主宰のプラチナム・デ
ューンも参加し、基本的にはMGM作品のリメイクとするも
のの、その内容には、今回エメット/ファーラが用意したシ
ナリオの要素も取り入れるということだ。また、製作には、
両社が用意した予算が投入されるということで、かなりの製
作費が注ぎ込まれることになりそうだ。
因に契約では、アメリカ国内の配給権をMGMが獲得し、
海外の配給はディメンションが行うということだが、前作は
日本でもかなりヒットしており、日本の配給権はどうなって
いるのだろう。
また、今回の契約では、もう1本“True Believers”とい
う作品も共同で製作されることになった。
この作品は、元はMGMが進めていたもので、実は『リン
グ』の中田秀夫監督のハリウッドデビューとなる作品。ホワ
イトハウスを目指す上院議員と、救世主となる子供を産むた
めに死刑囚と結ばれようとする女性との交流を描いたダグ・
リチャードスンの長編小説を、原作者自ら脚色したシナリオ
で映画化するものだが、当然、中田監督向きの捻りのあるも
のなのだろう。
なお契約で、この作品のアメリカ国内の配給権はディメン
ション側が持つことになっており、同時に製作上の主導権も
同社が持つということだ。まあ、ジャンル映画を手掛ける会
社が主導権を握ることは良いことだが、親会社のミラマック
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01月01日(木)
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