ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■ブルース・オールマイティ、味、女神が家にやってきた、シャンハイ・ナイト、ミッション・クレオパトラ、ボブ・クレイン
たものだと感心した。                 
                           
『味〜Dream Cuisine』          
文化大革命のためにほとんど失われてしまった山東省の魯菜
料理。その味を日本で守り続けた佐藤夫妻。中国政府から与
えられた正宗魯菜伝人魯菜特級厨師の称号を持つ夫妻と、中
国との関わりを追ったドキュメンタリー。        
上映時間2時間14分で、映画は夫妻の蛇酒論議から始まる。
この恐ろしくテンポの無いプロローグに、正直言って退屈さ
との戦いを覚悟したのだが…。どうして、いろいろ問題が山
積する展開に、最後まで息を抜けずに見てしまった。   
問題はまず夫妻が78歳と72歳という高齢であることから始ま
る。日本人だが山東省生まれで中国に帰りたいと言う妻と、
東京生まれで土地を離れたくない夫。          
さらには、夫妻が東京四谷に開いている店の存続を巡っての
中国側との考えの違い。                
そして極めつけは、砂糖も化学調味料もラードも使わないの
が正統と主張する夫妻に、それらを平然と使って新魯菜料理
と言い切る中国の料理人など。これらが次々に登場して、話
をややこしくしてしまう。               
ドキュメンタリーであるから、作られた物語ではないのだろ
うが、それにしてもこれらの問題に立ち向かって行く夫妻の
姿、特に支えあって行く夫婦愛には頭が下がった。自分もだ
んだん年を取ってきて、こういう物語が身に染みるようにな
ってきたようだ。                   
                           
『女神が家にやってきた』“Bringing Down the House”  
スティーヴ・マーティンの主演、『シカゴ』のクイーン・ラ
ティファの製作総指揮・共演で、『ウェディング・プランナ
ー』のアダム・シャンクマンが監督、アメリカでは今年の春
に大ヒットを記録したハートフル・コメディ。      
仕事一途の生活で家族にも見放された堅物弁護士が、インタ
ーネットの出会い系法律相談サイトで知り合った女性を家に
招くが、現れたのは指名手配中の脱獄囚だが無実を主張する
黒人女性。しかも彼女は弁護士の家に居座り、このため弁護
士の生活は危機の連続となる。             
しかし彼女とのつきあいを通じて、弁護士は今まで見ようと
もしなかった世界を知り、彼自身の人生観も徐々に思いも寄
らぬ方向に変えられて行く。              
この堅物弁護士を演じるマーティンがはまり役で、また、彼
の生活を掻き回すラティファが実にそれらしい。さらに脇役
陣も、ベテランから子役まで良い演技を見せてくれる。  
中でも、保守的な富豪の老婦人を演じるジョーン・プロウラ
イトは、黒人蔑視の言葉を無神経に次々に発するという物語
の一面を代表する役柄で、さすがオールド・ヴィックの出身
でデームの称号を持つという貫禄。           
さらに彼女の飼犬がフレンチブルドッグで、名前がウィリア
ム・シェークスピアという辺りも気が利いている。    
ラップ音楽に合せてのダンス合戦など、マーティンの芸達者
ぶりも見られ、アメリカでの大ヒットも理解できる。僕も、
主人公とは年齢的にそう離れていない状況で、主人公の考え
方も理解できるし、いろいろな面で納得できる映画だった。
                           
『シャンハイ・ナイト』“Shanghai Knights”      
ジャッキー・チェン、オーウェン・ウィルスン共演で、00年
にヒットした『シャンハイ・ヌーン』の続編。      
前作でアメリカに渡ったチョン・ウエンは、西部の町で保安
官として活躍していた。しかしそんな彼の許に父親の訃報が
届く。それはウエンの一族が代々守ってきた中国皇帝の証で
ある龍玉の盗難の知らせでもあった。          

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10月02日(木)
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