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On the Production
by 井口健二
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■龍城恋歌、アイデンティティー、ネレ&キャプテン、フレディVSジェイソン、マッチスティック・メン、しあわせな孤独、MUSA、NCW
ネレは、東ドイツを脱出した父親を持ち西ベルリンに暮らす
少女。ある日、東ベルリンで行われる祖母の葬儀のため初め
て東側を訪問する。
そこには西側で聞かされていたような暗いイメージはなく、
とある遊園地でパンクロックの音楽で遊ぶ若者たちまで見か
けてしまう。しかし当局からは、すでに白い目で見られてい
るらしい彼らに、彼女は興味を引かれて行く。
その後、何度か東側を訪ねたネレは、キャプテンと自称する
ヴォーカルが率いるバンドと親交を持って行く。そして当局
の締め付けが厳しくなって行く現状に、彼らの窮状を西側に
知らせるべく、映像を西側に持ち出すなどの行動を起こすの
だが…。
主人公の2人はフィクションだが、描かれるエピソードはす
べて現実にあった話だということだ。実に馬鹿ばかしいやり
方の当局の締め付けが描かれるが、これが現実だったという
ことだ。
東側のパンクロックの話は、以前にどこかで聞いたことはあ
ったが、こういうエピソードを見せられると考えさせられる
ところも多い。ちょっと政治的な部分の描かれ方が強いよう
な感じもするが、興味は引かれる物語だった。
『フレディVSジェイソン』“Freddy vs Jason”
『エルム街の悪夢』のフレディ・クルーガーと『13日の金曜
日』のジェイソン・ボーヒーズという2大殺人鬼が一緒に登
場する恐怖映画。
84年にニューラインでスタートした『エルム街』は、94年ま
でに7作が製作されている。
一方、元々はパラマウントで80年にスタートした『13金』の
シリーズだが、10年ほど前にその権利がニューラインに売却
され、93年の『ジェイソンの命日』からはニューラインで再
スタートが切られたものだが、昨年の『ジェイソンX』まで
新作は途切れていた。
その2シリーズの合体という訳だが、この企画に関しては、
実際には『命日』の最後でアナウンスメントが行われていた
もので、それから10年掛けてようやく実現となったものだ。
その実現までに、練りに練ったシナリオということだろう。
物語は、フレディの最後の事件から4年後という設定で、惨
劇のあったオハイオ州スプリングウッドの町では、事件その
ものの記録を封じることで、子供たちを恐怖心から遠ざけ、
フレディの名前も忘れ去られようとしていた。
この事態にフレディは、子供たちの恐怖心が消えたことで力
が弱まり、危機感を覚えていた。そして子供たちの恐怖心を
蘇らせるために、ニュージャージー州クリスタルレイクのジ
ェイソンを復活させ、スプリングウッドへと呼び寄せる。
そしてジェイソンが起こす惨劇は人々に恐怖心を呼び戻し、
フレディの力も復活し始めるのだが…。ジェイソンは、フレ
ディの獲物だった子供たちも襲い始めてしまう。こうしてフ
レディVSジェイソンの闘いが始まることになる。
一方、事態を分析した主人公たちは、2人の特性を利用して
反撃を試みるのだが…。
どちらも長く続いたシリーズだから設定もいろいろとある訳
で、今回はその設定をかなり巧みに利用しており、その意味
では納得できるお話だった。製作は、『13金』のショーン・
S・カンニンガムだが、結構フレディに花を持たせた感じな
のも好感が持てた。
なお、試写会では、2人の好きな方に投票するというイヴェ
ントがあり、僕はフレディ派なのだが、結果はジェイソンの
勝ちだった。劇場前売り券も2種類が作られ、その売り上げ
で人気が競われることになっているようだ。
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09月16日(火)
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