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On the Production
by 井口健二
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■第37回
っていたことを記録に留めるために今回の訂正記事とした。
この他にも、ホームページの記事は、後で気が付いて訂正
していることがありますのでご了承ください。
* *
さて、以下はいつもの製作ニュースを紹介しよう。
まずはSFファンには待望の話題で、アメリカSF界の中
でも巨匠と呼ばれた作家の一人、故ロバート・A・ハインラ
インが、1966年に発表した長編小説“The Moon Is a Harsh
Mistress”(邦訳題:月は無慈悲な夜の女王)を映画化する
計画が発表された。
そう遠くはない未来を背景に、地球の圧制に苦しむ植民地
〈月〉の独立戦争の顛末を描いたこの作品は、ハインライン
に4度目のヒューゴー賞をもたらした名作だ。
因に、ハインラインの作品では、この他にジュヴナイルで
1949年に発表された“Red Planet”(赤い惑星の少年)は火
星の独立を描いており、また1951年に発表された“Between
Planets”(宇宙戦争)は金星の独立を描いたもので、僕は
3部作だと思っているが、その中では唯一成人向けに発表さ
れた作品と呼ぶことができる。
2075年、地球の植民地である月の全てを管理するため、月
世界行政府に置かれたメインコンピュータ・マイクには自意
識があった。しかしそれは、いつもマイクの傍に居る技師ガ
ルシアを含めた少人数だけが知る秘密だった。
そして地球政府が窮状を訴える月の要請を無視したとき、
ガルシア達はマイクの助けを得て、地球への反撃の準備を始
める。その手段は、月に無尽蔵にある岩石を、電磁カタパル
トを使って地球に向けて撃ち出すというもの。その岩石は地
球の引力によって地球に落下し、ギガトン級の破壊力を生み
出す。しかもその落下点は、マイクの計算能力で正確に定め
ることが出来るのだ。
こうして月は、物語の中で井戸の口に立つ子供と譬えられ
るように、引力を最大の武器として地球からの独立を勝ち取
ることになる。
という、まるで革命の手引書のような作品だが、実はハイ
ンラインは、それ以前の2度目のヒューゴー賞受賞作で、映
画化もされた“Starship Troopers”(宇宙の戦士)では、
その軍事訓練の描き方などがファシスト的といわれていたも
ので、そこからの変身ぶりにも驚かされた(ただし、その間
の3度目の受賞作“Stranger in a Strange Land”(異星
の客)はヒッピーの聖典とも呼ばれたものだ)。
なお物語では、マイクの存在が非常に魅力的で、その魅力
も名作と称えられる一因になったとも言われている。
そしてこの作品の映画化を計画しているのは、『ハリー・
ポッター』の映画化も手掛けるデイヴィッド・ヘイマン。実
はこの映画化権は、以前はドリームワークスが所有していた
そうだが、今年1月に亡くなったハインラインの未亡人が生
前にヘイマンと合意し、彼に託されたということだ。
また製作には、元ソニーのマイク・メダヴォイが主宰する
フェニックスも参加することになっている。
配給会社は発表されていないが、“Starship Troopers”
とは違って人間を描いたこの作品には、製作準備が開始され
れば、注目の集まることは必至だろう。
因にヘイマンは、同じくハインラインが1958年に発表した
“Have Space Suit-Will Travel”(スターファイター)の
映画化権も所有しているそうだ。
* *
また、日本作品からのハリウッドリメイクで、今度はオリ
ジナルヴィデオアニメーションで発表された梅津康臣監督の
『カイト』という作品が、『トリプルX』のロブ・コーエン
監督の手で実写版として映画化されることが発表された。
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04月15日(火)
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