ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File107】マカロニ戦線異状アリ・・・珍説イタリア戦争映画史《総括》
なんと半年振りの観戦記・・・この間色々な事があったが、それは皆さんもご承知の通り・・・早速ながら久しぶりの【開演ブザー】携帯電話の電源はお切り下さい・・・【今回も、この書き込みに資料的価値は全く*ウいと思われ・・・】

【かくてマカロニは誕生す!】
イタリア国民の大半は、そんな事は気にも止めてはいないかもしれないが、イタリアは第二次大戦における枢軸側=敗戦国である。その軍隊のヘタレぶりは世界中に知れ渡っている。それを如実に表しているのが、以前にも述べた『次はイタリア抜きでやろう』と言うブラック・ジョークである。イタリア人は良く「マンジャーレ、カンターレ、アモーレ」と言う・・・訳せば「食べて、歌って、愛する」である。人生の幸福と美しさを讚え、そして生きるイタリア人自身を賛美する言葉だが、ドイツ人はそれを聞くと「あいつら飲んで歌って女口説いて、その合間に戦争してるから負けるんだ」と口を揃えて言う。またイタリア人をして『一人のイタリア人は恋する人%人のイタリア人は決闘する人℃O人のイタリア人は退却する軍隊=x等と例えられたりする。しかしドイツ占領下において独軍とファシストに対し、パルチザンによる血みどろの抵抗運動が繰り広げられ、同じ国民同士・・・隣人同士が殺し合うような、多くの悲劇を生み出した事も、また事実である・・・その様な悲劇を乗り越えて復興した戦後イタリア映画界は「戦火のかなた(1949)」や「無防備都市(1950)」に代表されるネオ・リアリズモ作品と呼ばれる名作を多数生み出した。その後イタリア映画界は1960年代半ば頃まで、このネオ・リアリズモ主義の演出技法を受け継ぎながら、さらには戦後アメリカから流入したハリウッド映画の影響をも吸収し、新たな演出技法による秀作戦争映画を多数生み出す・・・「人間魚雷奇襲せよ(1953公開)」「潜水艦潜航せず(1955公開)」「空挺部隊(1959公開)」「壮絶鬼部隊(1960公開)」「ロベレ将軍(1960公開)」「全艦船を撃沈せよ(1960公開)」「ローマで夜だった(1961公開)」「祖国は誰のものぞ(1963公開)」「潜水艦ベターソン(1964公開)」「国境は燃えている(1966公開)」等々・・・これらリアル系戦争映画は、確かに優れた戦争映画であり、また芸術作品としても評価も高いが、時を経て戦争の悲しい記憶が人々の心の中から薄れて行く程に製作されなくなる・・・観客である一般大衆の要求は娯楽映画へと傾いて行く・・・画面の中で繰り広げられる派手なアクションシーンや美男美女の繰り広げるラヴシーン、おどけたコミカルな演技に、或いは手に汗握り、喝采し、涙し、そして観終った後の爽快感を求め始めるのである。1960年代に入り経済的に豊かになって来ると、この傾向は益々顕著なものとなる。そしてイタリア映画界は、必然的に戦後大量に流入して来たハリウッドやイギリス、フランスなどの娯楽映画・・・古代や中世の歴史活劇や西部劇、ギャング(マフィア)やスパイ物、コメディ、ホラー・・・の影響を色濃く受け・・・と言うよりも早い話が手っ取り早く模倣した″品群を生み出し、大量生産されて行った・・・これらは世界映画史上、俗に海外でマカロニ≠フ冠詞を付けられて呼ばれる事となるイタリア製通俗大衆娯楽映画たちであった・・・。

【マカロニ・コンバットの誕生】

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11月07日(日)
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