ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File118】十七萬接続達成記念・・・再録/よろず観戦日誌〜男たちの大和
世の中に広まりつつある「沖縄水上特攻往復燃料説」について、敢えて逆説的な検証をしたが、結局燃料満載で出撃したところで、当時の状況・・・制空権無し・・・下で、多寡が10隻そこらの艦隊・・・いや戦隊程度か・・・が、沖縄まで辿り着く勝算は、当時の海軍首脳部・・・軍令部、連合艦隊司令部、二艦隊司令部、二水戦司令部の何れにも無かったのは確実だ。折角確保した燃料を横取りされた護衛総隊の大井参謀が怒った様に、嘗ての栄光と伝統に、この期に及んでまで固執し続けなければならなかった日本海軍の悲劇である。さて沖縄水上特攻作戦を語る上で、もうひとつ検証しなければならない事がある。それは、仮に大和が沖縄突入に成功した場合に「浮砲台」と化し、残った兵員は「陸戦隊」として第32軍に協力する、という作戦計画である。これについても「片道燃料説」と同じく、多くのサイト等で見られる記述であるが、実際こんな計画が立てられたという史料は、未だかって確認されていない。確認出来るのは「沖縄西方海上にて敵艦隊及び輸送船団を撃滅すべし」という電文くらいである。大体洋上に停泊または航行しながら砲撃するならまだしも、強行的に座礁などしても、上手い具合に水平に座礁して動力が確保出来ていれば良いが、少しでも艦体が傾いたり、動力が停止してしまえば、主砲による砲撃など全く不可能である。大体大和の46cm主砲塔は、一基が3000屯もの重量がある。動力源を断たれたら旋回すら覚束無い。ガ島における日本輸送船の様に、沈没を免れる為に座礁すると言う方法は考えられるが、如何に不沈艦たる大和でも、制止した状態でどれほど米軍の空と海からの攻撃に耐えられるだろうか?もうひとつ兵員を揚陸し陸戦隊として戦う、という話についても、大和だけでも3000名もの兵員が乗艦していたが、それらが完全に武装出来る程の陸戦用武器弾薬食料が積み込まれていたと言う記録はないし、しかも満足な揚陸設備も無い状況である。結局この水上特攻作戦自体「慶良間泊地突入」を意図して、万が一成功したら、その後の計画としては「帰還は無理なので、海岸に座礁させて沈没を防ぎ、生き残った兵員は上陸して第32軍に保護してもらえ」程度しか詰められていなかった作戦で「浮砲台」や「陸戦隊」は「片道燃料説」と同じく、当時から無謀な作戦を美化する為に流布され、語られていた精神論的噂話に過ぎなかった。しかし、それらを信じ多くの尊い生命が大和と運命を共にした事は紛れも無い事実で、永遠に語り継がれなければならないだろう・・・
今回は至って手抜きな観戦記ではありますが、十七萬接続記念と言う事で、平に平にご容赦の程を・・・【続く】
04月15日(土)
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