ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File107】マカロニ戦線異状アリ・・・珍説イタリア戦争映画史《総括》
地獄の戦場コマンドス(略奪者/1969製作・公開)
ヘル・コマンドー7(1969公開)
戦場のアウトロー・ロンメルを殺れ!/ロンメル戦車軍団の最後(1969公開)
最後の戦塵/地獄の遊撃戦(1969公開)
地獄のプラトーン/ドイツ奇襲作戦(1970公開)
激戦地(1969製作/1970公開)
栄光の戦場(1969製作/1970公開)
空爆大作戦/決死のエアーバトル(L1970製作/1971公開)
バトル・コマンド熱砂の大作戦/砂漠の激戦(1971公開)
栄光の北アフリカ戦線(1972公開)
地獄の勇者たち/地獄の英雄(1974公開)
シシリー要塞異常なし(1972製作/1974公開)
特攻ファイター!MT要塞(1975公開)
地獄のバスターズ/V-ロケット強奪大作戦(T1976公開)
激突!タイガー重戦車・最後の砲火(1978公開)
ジュリアーノ・ジェンマのウォー・ジャック(1980公開)
地獄のウォータイム(1986公開)
ブリッジ・トゥ・ヘル(1986公開)

ここで問題となるのが、世間一般(?)では『マカロニ・コンバット』作品として認知されている以下の作品を除いた事である。

マカロニ・コンバット除外作品
@砂漠の戦場エル・アラメン(1968製作/1969公開)
A熱砂の戦車軍団(1969製作/1971公開)
B特攻大戦線(1971製作・公開)
C裂けた鉤十字/ローマの最も長い一日/ローマの虐殺(1973公開)
Dブラック・シャツ独裁者ムッソリーニを狙え!/パルチザン総攻撃・独裁者ムッソリーニを射殺せよ(1974製作・公開)
Eザ・ビッグ・バトル/巨大なる戦線(1977公開)
F戦争と友情(1978製作/1980公開)

大方の異論を無視して私論を言わせていただく。まず@「砂漠の戦場エル・アラメン」は、ストーリーの成り行き上、英軍を陽動する為に囮となる伊空挺部隊の悲劇を描いた作品である。伊空挺部隊はヘタレ揃いのイタリア軍の中でも別格な勇猛果敢な部隊で、過去のイタリア製戦争映画でも多々描かれている。イタリア人自身が自慢いや誇りにしている部隊なので、結果的にはB級作品的な出来となってはいるが、元々の製作側の意図としては、他のマカロニ作品とは同列ではないと判断した。A「熱砂の戦車軍団」は、小部隊が主人公なのと邦題がいい加減な点は別として、至って真面目に作られた作品・・・どちらかと言えば戦争と極暑の砂漠と言った極限状態に置かれた敵味方の人間性を問うたドラマであると判断した。B「特攻大戦線」はジュリアーノ・ジェンマが抗独パルチザンの英雄コルバリの生涯を演じた社会派史実ドラマである。第一この作品をマカロニに分類する事自体イタリア国民に対して失礼である。至って邦題由縁の所業であろうが・・・同じくC「裂けた鉤十字」とD「ブラック・シャツ独裁者ムッソリーニを狙え!」も社会派史実ドラマである。Cは抗独パルチザンによる爆破テロに起因してドイツ軍がイタリア人300名以上を虐殺した「アルデァティーネの悲劇」事件を題材にした作品。Dは邦題から想像される通り、第二次大戦末期のムッソリーニの逃亡、逮捕、射殺までをドキュメンタリータッチで描いた、これも社会派史実ドラマ。仮にこのBCDをマカロニ作品に分類するとすれば、他にも同様のスタンスで製作されたイタリア製戦争映画が多数あるので、それらもマカロニ作品として分類せねばならなくなる。E「ザ・ビッグ・バトル」とF「戦争と友情」だが、Eの監督はハンフリー・ロンガンでFがハンク・マイルストンなのだが、この二人実は同一人物・・・ウンベルト・レンツィである。彼自身はマカロニ界の大御所である事には間違いないが、この2作品には内容的に一部特殊作戦的なシーンがあるとは言え、全体的には戦争に翻弄される人間たちを描いた大河ドラマに外ならない。この様な理由から正直言って私は、これら作品をマカロニ作品と同列として観戦する気にはなれないのである。

【総括・・・マカロニ・コンバットよ永遠に・・・】

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11月07日(日)
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