ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File096】スパイとエニグマとUボート【ネタバレ警報/後編A・・・完結編】
この『enigma』は世界的ロックバンドであるザ・ローリング・ストーンズ≠フミック・ジャガー(御歳60歳・・・還暦かよ)が、初めて映画製作に挑戦した作品で、彼は作品中に巨匠ヒッチコック宜しくエキストラとして出演している。その場面は・・・回想シーンでトム・ジェリコとクレア・ロミリーがバーで躍っている場面で、背後で女性兵士を侍らして酒を飲んでいる将校役・・・。
さてこの他に「エニグマ暗号機」やUボート絡みの諜報戦を描いた作品としては・・・

まず第一に『U-571(1999)』この作品はご存知の通り「米海軍がUボートからエニグマ暗号機を奪取して死闘の末に持ち帰った」と言う、全く以ってトンデモ作品。アクション部分に力を入れすぎた為、戦争映画ファンの評価もイマイチ。英国のブレア首相も下院本会議で「英国に対する侮辱」と言った程、関係各位から多大なる抗議を受けた曰くつき作品である。D・ホープ原作の海洋冒険小説『囮のテクニック』第三巻「暗号編」と言う英国海軍省対潜水艦戦情報部の特殊部隊がUボートを乗っ取り、エニグマ暗号機を奪取する『U-571』の元ネタの様な作品もある。英国は嘗て米国の人気ドラマ『ラットパトロール』についても「米国は北アフリカであんなに活躍していない・・・」といって怒っていた!
それから『エニグマ奇襲指令(1982)』マイケル・バー=ゾウハー原作による傑作スパイアクション。原作では『ルパン三世』を彷彿させる主人公の大泥棒ド・ベルヴォアール男爵が、独占領下のパリを舞台に独情報部のフォン・ベック大佐やゲシュタポを相手に、エニグマ暗号機を奇策を弄して奪取する戦争冒険活劇ミステリーの傑作なのだが、映画では舞台を冷戦下の東ベルリンに移し、ソ連の新型暗号解読機を巡るサスペンス・アクションに変更されている。原作の持ち味は生かされているが、二次戦ものファンとしては独国防軍や親衛隊の軍服が登場しないのが残念・・・東独軍の軍服で我慢するか・・・。
お次は『ブリタニック(2000)』1916年11月21日エーゲ海で謎の沈没を遂げた悲劇の船ブリタニック号・・・かのタイタニック号の姉妹船・・・沈没の原因については今だ不明な点が多い。そこで独軍スパイの破壊工作、Uボートによる攻撃等大胆な仮説を基に、悲劇的なラブストーリーを絡めて描いたアクション戦争映画。ロマンス的な要素も多分に含まれ『タイタニック』を意識しているのは見え見えですが・・・。病院船に武器を隠して運ぼうとする英国と、それを奪取・・・不可能な場合は撃沈・・・しようとするドイツ帝国のスパイ戦・・・まあ『ヒンデンブルグ(1975)』の海洋版ってとこですかねぇ!

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09月13日(土)
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