ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File071】祝・製作四○周年記念特別編発売・・・実録『大脱走≠ュぅらぁ〜』後編
『忠臣蔵』関連映画の製作が急激に減少する1970年代は、私ATFと同世代の方々が物心ついた時代でテレビと言えば一家に一台(居間に木目調の大きな画面のヤツ・・・UHF専用調整機なんかもあったなぁ)が普通でした。夕飯のひと時、家族揃ってテレビを観るってのが当たり前の時代。年の瀬、居間の炬燵に丸まり家族揃って『大脱走』(前・後篇)にハラハラしていた時代。その後1980年代から1990年代にかけて生活の形態も変化・・・(バブルの絶頂と共に)・・・レンタルビデオや衛星放送が急激に普及・・・し、子供部屋も一人一部屋となり、家族揃ってテレビを観るという慣習が少なくなってしまいました。ちょっと強引ですが1970年代の日本人にとって、年末にテレビ放映される『大脱走』は、すなわち日本人に最も親しまれた『男たちの忍耐の集団劇=忠臣蔵』だったとは言えないでしょうか・・・。そんな『大脱走』もスティーブ・マックィーンの没年(1980年)以降は余り放映されなくなった、と言う事実からはひとつの時代の終わり≠ェ感じられてしまうのでした・・・。

【男は黙って・・・サッポ・・・じゃなくて耐え忍べ=z
両作品に共通して言えるのは虐げられた男たちが、様々な苦難に耐え、最後に本懐を遂げる≠ニ言う点です。『忠臣蔵』は刃傷・浪士・仇討ち=w大脱走』は戦争・捕虜・脱走≠ニいう訳です。以前の観戦記でもカキコした様に『大脱走』では登場人物各人が非常に個性豊かに描かれています。そして『忠臣蔵』でも大石内蔵助や他の赤穂浪士たち、吉良方の人物まで各々の登場人物がそれぞれのドラマを独立して作品化しても充分描ける程の内容の濃さを持って登場しています。バートレッド中隊長=大石内蔵助、ヒルツ=堀部安兵衛などと当てはめて考えて見ると、結構当たってると思えて来ませんか・・・。そして脱走後と討入り後のドラマ・・・。共に悲劇的なストーリーに続きます(浪士の切腹と捕虜の処刑)が、観終った後に訪れる爽快感▼・・捕まって、再び独房に入れられるマックィーン演じるヒルツ大尉が、懲りもせず独房内でキャッチボールを始める不屈の精神≠描いたシーンや、赤穂浪士たちが晴れやかな顔で切腹≠フ場に向かって行くシーン・・・。古き良きあの時代、『忠臣蔵』の精神は年末テレビ放映の『大脱走』によって私たち日本人の心の奥底に受け継がれていたのではないか・・・。そんな風に思えて来るATFなのでした・・・。

前置きばっかり長くてすんません・・・引き続き【特典篇】へと【続きます】

12月22日(日)
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