ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
[455595hit]

■【File102】マカロニ戦線異状アリ・・・珍説イタリア戦争映画史《序説》

【戦争映画の定番・・・北アフリカ戦線】
第二次大戦における北アフリカの戦場は、軍オタ・ミリタリーマニア、第二次大戦フリークの間でも、特に人気の高い戦場≠ネのですが、その人気の秘密は一体何なのでしょうか?伝説的な名将ロンメルの芸術的な作戦理論に基づき指揮された少数精鋭(椰子の木に卍のマーク)独アフリカ軍団と、モントゴメリーの物量に裏付けされた押せ押せ連合軍(主にオーストラリアやインドなどの英連邦軍)との対決。エル・アゲイラからエル・アラメインに至るまで繰り広げられた戦闘による一進一退の戦況。気候の急激な変化による長期間の休戦状態と、その反動によって起こる短期間の壮絶な激戦。「砂漠は海」「砂漠の戦いは海戦と同じ」と言う言葉に象徴される様に、殆んど一般民間人が居住しておらず、遮蔽物のほとんどない砂漠地帯において常に変化する流動的な機動戦法。ハルファヤ峠の戦闘に代表される戦局全体に大きな影響を与えた小部隊の奮戦。欧州の戦場から一線を隔した独立した戦場であった事、中東の石油資源や太平洋戦域との中継地スエズ運河を巡る戦略的に重要な戦いだったと言う割には、独英両軍とも終始参加した兵力が、欧州の戦場と比するにそれ程多くなかった事・・・結局、物語として戦略的な面と戦術的な面が混在しながらも、上手い具合にミックスされた点・・・北アフリカ戦線は、他の欧州の戦場には見られない、独特かつ魅力的な要素に満ちているが故に、これまでにも多くの戦争映画の題材とされてきました。思いつくままに、ざっと書き連ねてみても・・・「サハラ戦車隊(SAHARA/1943)」「熱砂の秘密(FIVE GRAVES TO CAIRO/1943)」「最後の突撃(THE WAY AHEAD/1944)」「砂漠の鬼将軍(THE DESERT FOX/1951)」「砂漠の鼠(THE DESERT RATS/1953)」「空挺部隊(DIVISIONE FOLGORE/1956)」「撃墜王アフリカの星(DER STERN VON AFRIKA/1957)」「今は死ぬ時でない(NO TIME TO DIE/1958)」「最後の決死隊(THE STEEL BAYONET/1958)」「壮絶鬼部隊(EL ALAMEIN/1958)」「地獄の決死隊(UN TAXI POUR TOBROUK/1962)」「トブルク戦線(TOBRUK/1966)」「大侵略(PLAY DIRTY/1968)」「砂漠の戦場エル・アラメン(BATTLE OF EL ALAMEIN/1968)」「地獄の戦場コマンドス(COMMANDOS/1968)」「熱砂の戦車軍団(LA BATTAGLIA DEL DESERTO/1969)」「ロンメル軍団を叩け(RAID ON ROMMEL/1970)」・・・
しかしそれらの作品の大部分は、独軍VS英軍の話がメインで描かれており、イタリア軍にスポットを当てた作品は、数える程度・・・「空挺部隊」「壮絶鬼部隊」「砂漠の戦場エル・アラメン」・・・増してや前述の如く、ハリウッド製のCGやアクションばかりが目立つ戦争映画が幅を利かす昨今、戦場で戦う兵士たちの生と死をリアルに描いた、この「炎の戦場エル・アラメイン」という作品は、将に名作戦争映画≠ニ呼ぶに相応しい作品と言えると思います・・・この映画を紹介したサイトの幾つかで「異色の戦争映画」という言葉を散見しました。しかし、それは大きな誤りです。この作品こそ「真の戦争映画」なのです!名作に多くを語る必要なし!

さて「炎の戦線エル・アラメイン」を観戦した衝動・・・それは私ATFの胸中に熱い何かを残しました。そしていつもの如くお気楽・極楽な考えで観戦記を書き始めたのです・・・しかし、ネット上で関連資料の探索を始めたATFの前に、いつにも益して強大な壁≠ェ立ちはだかる事になろうとは・・・次回も「珍説イタリア戦争映画史」が続きます!これは戦争映画ファンの中にも多くのファンを有しながら、その実態は余り多く知られていない「イタリア映画を代表する戦争映画たち」に挑んだ魂の記録である・・・【続く】

01月31日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る