ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File062】富国弱&コ・・・まだ何処にもない危機管理【ネタバレ警報】
この「宣戦布告」で石侍露堂監督が選んだテーマは「鞘の中(さやのうち)」だそうです。武術用語で「剣を抜かずに勝ちを得る」という意味です。まあ広意の危機管理=リスクマネジメント≠顕している言葉なのでしょうか。大事になる前に、いかにして被害を少なく事態を治めるか・・・。日本人に最も適さない言葉です。武士は喰わねど高楊枝≠ナ体面を気にして行くとこまで行ってしまい死んでお詫びを・・・℃を選ぶ事で全てを自己完結・・・正当化を図る。太平洋戦争中艦と運命をともにする艦長∞守備隊指揮官の自決∞最後のバンザイ突撃∞被弾・帰還断念による熟練搭乗員の自爆∞戦陣訓・・・生きて虜囚の恥ずかしめを受けず▼・・確かに潔い≠ナすが、まったく非合理的・・・後の事は考えない。捕虜にはなるなとしつこく教えた為に、いざ捕虜になった時の対処法は何も教えなかった・・・太平洋戦争後半になるにつれ日本兵捕虜は増加していき、そこから得られる莫大な情報の中から日本の敗戦に繋がった情報が数多くありました・・・まったくもって・・・そのくせ作戦失敗、指揮艦喪失の責任追及・作戦指導の検証は行われない。その悪しき伝統が戦後社会・・・特に政治やお役所に脈々を受け継がれてきたようです。政治=金・利権絡みで計画された公共事業、今じゃなんの為かもハッキリしない計画を後生大事に唱える政治家や役人。計画を破棄する為にクリアしなければならない、全く以って意味のない法令や政令の数々・・・。誰が計画したかも解らないダム≠竍鉄道*{当にいるの・・・いや〜偉い前任者が作った計画だから、私には中止する権限がありません・・・などと平気で抜かす役人たち・・・。汚職で肥る政治家&高級官僚と、とにかく定年退職して退職金と年金を貰うまで安泰の日々を過ごしたい下級役人・・・。誰も決断≠オなくなった組織に発展はありません。決断しない=責任とらない≠「やぁ〜全く持って政治家&役人天国≠サの辺の描写は首相(古谷一行)官房長官(佐藤慶)総務庁長官(財津一郎)外務大臣(天田俊明)防衛庁長官(石田太郎)等々、日本映画界を代表する蒼々たる俳優陣によって上手く描かれていました。まさに君臨すれども決断せず°齬カの末、最後に決断を下す(公私ともに)首相の姿が架空の事でないことを願うばかりです・・・。

【宣戦布告%ヒ入せよ!敦賀半島事件・・・かな?】
この「宣戦布告」は@北≠フ武装工作員と警察・自衛隊の戦闘A危機に直面した政府首脳の対応B日本国内に定着し情報を収集する北≠フ諜報員と事件発生後、事態収拾の為に日本に潜入してくる北≠フ大物テロリスト(夏木マリが良い!)を追う警視庁公安部外事課の捜査官・・・の大きな3つのストーリーの流れによって構成されています。ATF的には@防衛庁や自衛隊が、余りの設定にビビッ≠ト協力が得られず、戦闘シーンがサバゲ≠フ域を出ていない・・・戦闘の経過が早すぎてイマイチA危機に直面した政府首脳の慌てぶりと法令に雁字搦めに縛られた自衛隊の非即応ぶりは良く描かれていたが、もっと政治のジメジメした暗い部分、政治家間の足の引っ張り合いや政治的駆け引き、事務方(役人)との対立、外交面(アメリカや中国、韓国等の介入や圧力)などが描かれても良かったのでは・・・B北≠フ諜報網が単純過ぎ・・・もっと日本社会の地中奥深くに根付いた闇部分も描いて欲しかった・・・スパイ天国、日本!
ここまで書いてて思いつきました・・・@上層部の決断の甘さによって被害を被るのは、いつも現場という主題A敵の姿をハッキリ描写しない手法によって、敵の不気味さ、恐怖を強調する技法・・・コレって「突入せよ!あさま山荘事件」と似てるじゃん・・・って。時代は21世紀になっても、日本人って全然変ってないのね!

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10月16日(水)
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