ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File058】Attack All Boats!!・・・陽のあたらない小艦艇たち・・・後篇 軍艦洋画編Vol.5
ジャングルを利用した巧みに姿を隠すベトコンに対し、米軍・南政府軍は幾度となく掃討作戦を展開しますが、中々上手く行きません。逆に損害が増すばかりな状態を憂慮した米軍は悪魔の兵器≠フ投入を決定します。枯れ葉剤″。尚後遺症発症・奇形児誕生などの大きな問題を残す事になる化学兵器≠ナす。散布作戦の当初、米軍上層部は、この枯れ葉剤(主にエージェント・オレンジ剤/ちょっと前までマスコミを賑わしたダイオキシン満載)≠ヘ人間や家畜には無害であると主張していました。しかしジャングルの樹木を枯らしてしまう薬品が人体に無害であると本気で信じたのでしょうか・・・さて、この「アナザーベトナム」は、この枯れ葉剤≠フ後遺症問題を取り扱ったTV映画作品です。ナム戦時、海軍兵学校を卒業した新米少尉(演じるは「燃えよカンフー」「デュエリスト」のキース・キャラダイン)は反戦活動家の恋人の説得を振り切ってベトナム最前線へと旅立ちます。彼の父親(演じるは「欲望という名の電車」や多くの戦争映画に出演しているハリウッドの重鎮カール・マルデン)は海軍中将で、米海軍の現地部隊指揮官。米海軍河川哨戒部隊(BWN)の哨戒艇長に任命された彼は、部下から提督のお坊ちゃま≠ニ陰口を叩かれながらも積極的に任務を遂行、やがて部下の信頼も得て、親友の戦死、損害の増加を乗り越え、遂にはラオス領内のベトコンの武器輸送ルートを発見する手柄を立てます。しかし彼が哨戒任務を行っていたメコンデルタ流域は枯れ葉剤℃U布作戦の真っ只中でした。しかもその作戦の指揮を取っていたのは、現地海軍部隊の指揮官だった彼の父。ベトナムから帰還した主人公は、恋人と結婚し子供が生まれますが、その子には精神面の障害が・・・そして彼自身にも・・・リンパ腫・・・癌の発病です。余命数年と宣告された主人公。発病の原因は・・・枯れ葉剤&ト政府はそれを否定・・・そして退役した父と発病した息子とその家族の苦しく長い闘いが始まるのです。内容は重いですが、丁寧に作られた作品です。さてこの作品には、主人公が艇長として乗艇するスイフト級河川高速哨戒艇PCFが登場します。乗組員は士官1名、下士官兵5〜6名、操舵室上部に50口径二連装銃座1基、後部甲板に50口径機銃1丁と同軸で81mm迫撃砲1門を装備。満載重量22.5tで28ktの速力が出ました。このPCF哨戒艇は、前述のPBR哨戒艇と並びBWNの河川哨戒群≠フもうひとつの主力装備で125隻が投入されています。という事で、登場してるだけで滅茶苦茶貴重なんですが、しっかりベトコンとの銃撃戦シーン等もあって、物語の内容的には甚だ不謹慎ですが小艦艇マニアにとっては「地獄の黙示録」と並んで萌え萌えな作品なのでした。
【ラストプラトーン2 1991】

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09月29日(日)
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