ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File050】記念連続ドラマ最終夜「プライベート・ライアンとノルマンディーの空」
ヘスラー大佐は進み出ると、ミラー大尉にタバコを差し出して流暢な英語で言った・・・「ダバコは・・・そちらの補給物資だがね・・・わざわざ我が方の陣地に落としていってくれたものだ」ミラー大尉以下ガフィ軍曹、ヘンダーソン伍長が一本ずつ受け取り、軍用ジッポで火を点けた・・・「SS第2師団のヘスラー大佐だ、大尉。単刀直入に言おう。我々はある人物を探している・・・大人しくその人物を渡してくれれば、君等には手を出さないと約束するが・・・」ヘスラー大佐も自らタバコに火を点けながら言った。「第2レンジャー大隊のミラー大尉です。で大佐殿、お探しの人物とは・・・?」「我々はライアン≠ニいう人物を探している・・・ジェームズ・フランシス・ライアンだ」ミラー大尉、ガフィ軍曹、ヘンダーソン伍長は驚きで顔を見合わせた・・・ガフィ軍曹が呆れ顔で行った「大佐殿、差し支えなければ、なぜライアンを探しているのか教えていただけないですかね・・・」「機密事項なんでね・・・」ミラー大尉が言った「大佐、ライアンを渡す訳には行きません・・・我々もライアンに用事があるんです」「それでは力ずくでもライアンを頂く事になるが・・・」ヘスラー大佐が不敵な笑みを浮かべた・・・「たかが二等兵分際にドイツ軍までもがご執心とはね・・・」ガフィ軍曹がタバコの吸殻を投げ捨てて言った・・・ヘスラー大佐の顔色が微かに変わった・・・「今、二等兵と言ったのか・・・」「そうですよ・・・別に大統領の息子でもなんでもないただ≠フ二等兵ですよ」「本当だろうな、大尉。私を騙すと痛い目を見るぞ・・・」「ライベン、ライアンをここに連れて来い。大佐、貴方を信じて話しますが・・・」ミラー大尉は事の顛末を全て話した。全て話し終えた所にライアンがライベンとエディットに付き添われ現れた。ヘスラー大佐はライアンの姿をまじまじと眺め暫く考えていた・・・「大尉、君の言う事を信じよう。我々が得た信頼すべき筋からの情報によれば、上陸した連合軍各部隊に至急ライアン≠いう人物を探し出せとの命令が出され・・・ロンドンの連合軍総司令部直々でだ、君等の無線でも頻繁にライアン≠ニいう名前が使われている事から、余程のVIPだろうという我が上層部が判断したのだ・・・特に目立ちたがり屋のハインリッヒがね・・・おっとコレはオフレコだ・・・とんだ無駄足だった訳だ・・・ディーペル、引き揚げるぞ」ヘスラー大佐は傍らのディーペルSS少佐に向かって命令した・・・「しかし大佐殿、命令が・・・」「我々の本来の任務は軍人として戦う事だ。こんな無駄な任務に貴重な時間と兵力を割く訳にはいかんのだ、分かったな!」「しかし大佐殿。ここの橋≠ヘ、この付近唯一戦車が渡河できる橋≠ナす。それを見過ごす訳には・・・」ヘスラー大佐はディーペルSS少佐を睨みつけた「君は私に戦略をご教授してくれるのかね・・・少佐」ヘスラー大佐は、既にドイツ軍には、この付近に廻す兵力の余裕が無い事を充分理解していた。そして、このラメルの石橋は、実は水道橋で、町と周辺の住民たちの生活を潤しているのだ・・・爆破する訳にはいかない。「ハッ大佐殿。ハイル・ヒトラー(小声で)くそッ(ヌル・アハト・フフツェーン=08/15)」「何か言ったか、ティーベル・・・」ヘスラー大佐がギロリと鋭い眼光で睨み付けた・・・「い、いえッ何でもありません」ディーペルSS少佐は慌ててナチ式の挙手の敬礼をすると、部下の所に戻って行った「それではミラー大尉、我々は引き揚げる・・・何処かでまた会おう」ヘスラー大佐は通常の敬礼をし、ミラー大尉もそれに応えた・・・アウフゥ・ヴィータゼーン「橋を爆破せずに済んだな・・・俺たちも引き揚げるぞ・・・メリッシュたちを呼び戻せ・・・」
chap.20兵員名簿
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07月22日(月)
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