ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File045】記念連続ドラマ第二夜「プライベート・ライアンとヌーヴィルの雨」 前編
その夜の深夜近く、最前線に近い広場には、終結したミラー大尉とその部下たちがいた。50口径機銃搭載ジープが2台、M3ハーフトラックが4台(1台は50口径機銃4連装対空ターレット搭載、1台は105mm榴弾砲搭載、残り2台は通常の兵員搭載タイプで数々の物資を満載し、それぞれ貨物キャリアーと燃料タンクキャリアーを牽引している)M8グレイハウンド装甲車1両、そして捕獲したドイツ軍の車両が1台。それら車両群の周りでは、兵士たちが出発の準備に忙しそうに動き廻っている。「たかが一人の兵隊探すのに、なんて大騒ぎだ・・・」アパム伍長は部隊を眺めながら思った。先頭のジープの助手席に座って、ミラー大尉が地図を見ている上では、搭載した50口径機銃にライベン二等兵が弾帯を装着していた。そこに疲れた顔のホーバス軍曹がやって来る。「中隊長、出発準備完了です・・・しかし・・・」「軍曹、言わなくても解ってる・・・」ホーバス軍曹は車上のライベンを見上げた。「なんて格好だ、ライベン・・・」ライベンはヘルメットの替わりに、片方の鍔を折り曲げた白いカウボーイハットを被っていた。「いえね、前からズッとやってみたかったんですよ・・・」「やれやれ」と言ってホーバス軍曹は大きく首を振った。しかし、その手に英軍の黒いベレー帽≠ェ握られていたのには、誰も気が付かなかった・・・。夜が深けるにつけ天候は崩れ始め、やがて大粒の雨が降り出した・・・そして深夜0時と同時に、砲兵隊の支援砲撃が始まった。「出発〜ッ」防水ポンチョに身を固めたミラー大尉が先頭のジープの上で大きく手を振ると、一団の車両部隊ミラー戦闘団≠ェ動き出した。BGMには、お馴染みの口笛のメロディが・・・流れていたのは言うまでもない。
物語は大きく動き始めた。果たして任務の裏に隠された謎≠ニは?・・・賞金の行方は・・・波乱待ち構えるヌーヴィルの町に、男達のどす黒い欲望の潮流が集まりつつあった・・・。【物語は盛り上がりつつ、続く】
06月09日(日)
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