ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File027】柵も看守も乗り越えて、逃げるが捕虜の生きる道ど〜ッ脱走≠oart.2
ユダヤ人強制収容所を扱った作品は結構あり、その中のエピソードとして小規模な脱走を描いた作品は幾つかありますが、なんと1943年10月14日に600名もの大脱走≠ェあったなんて実際あまり知られていません。私もこの作品を観るまで、そんな話があったのかって驚いたくらいですから。物語の舞台はポーランド国内に作られたユダヤ人強制収容所のひとつソビボー≠ネんでも悪名高い死の収容所トリブリンカ≠ニ同規模の虐殺が行われていたところだそうですが・・・日本国内ではアウッシュヴィッツ≠竭O述のトリブリンカ≠フ認知度はあってもソビボー≠ネんて名前を聞いたことがある人って、余程ホロコースト≠ノついて研究されている方なのでしょうか。謎の強制収容所なのです。ソビボー℃容所の特別区域には特殊技能の為に虐殺を免れているユダヤ人600名が収容されています。殆んどは靴屋とか大工とか洋裁が出来るとかの手に職的な技能なんです(そのリーダー役がアラン・アーキン)それでも些細な事が理由で次々にSSの看守に殺されていくユダヤ人たち。この収容所の看守のSSたちの襟にはしっかり髑髏≠フ刺繍が・・・あとSS隊員は収容所長以下15〜6名で、あとはロシア軍から寝返ったウクライナ兵たち、SSとはちょっと異なる軍服で登場します。小規模な脱走が繰り返されるのですが成功せず犠牲者を増やすばかり。そこで一度に強行脱走しよう、と計画が持ち上がりますが、如何せん武装した看守にどう立ち向かうのか・・・そこに登場するのがロシア軍のユダヤ系捕虜たち(そのリーダーの中尉をルトガー・ハウアーが演じています)彼らの協力を得て計画が実行されます。その計画はSSの看守を一人ずつおびき出し殺害、混乱に乗じて強行脱走を図ろうというもの。最初は上手く行きますが、後少しの所で計画が発覚。しかしここまで来た以上後戻りはできない、最後は看守の武器を奪い、鉄条網を乗り越えての強行脱走です。看守との激しい銃撃戦と収容所の周りに敷設された多数の地雷による多数の犠牲者・・・その数300名。半数の人々が命を落としますが、生き延びた人々も多く、最後のシーンで、彼ら主要生存者のその後の人生がテロップで説明されます。で最後に、このソビボー強制収容所≠フ存在が余り知られていない理由の説明があります。それは、この大脱走の事実を憂慮した独親衛隊長官ヒムラーが、このソビボー強制収容所≠フ存在自体を抹殺したそうです。収容所の施設は撤去され、跡地には植物が植えられ、残ったユダヤ人は他の強制収容所に移され、残りの看守たちも戦線(たぶん東部戦線)に送られたとの事。さすがのヒムラーも、面目丸つぶれの事実は隠したかったようですな。

今回は、ちょっと毛色の違う脱走モノ≠集めてみました。ちょっとくどく書き込みすぎたせいか、だらだらと長文で読み難くくなっててすみません。まあ事実は小説より奇なり≠チて訳です。機会があったら、まだ面白い脱走モノが沢山残ってるので、また書き込んでみたいと思います。
誠にお待たせしました。多くの皆さんのご要望にお答えして「ヌ<Pル戦争映画特集」第一弾、近日堂々公開予定・・・乞う御期待・・・【続かせましょー】

02月04日(月)
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