ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File125】スペイン内戦勃発70周年・・・誰がために鐘は鳴るなり豆戦車C
検証シーン(45)・・・今まで影になったりして、はっきり確認出来なかった鐘鳴戦車二号の車体前部部分(牽引用フック等)が、明瞭に解ります。鉄橋爆破による噴煙も薄れ、後続するトラックの姿も見えてきました・・・右上にご注目・・・一瞬ですが画面上に現れる謎の黒い物体・・・多分劇場でのフィルム映写時にロール交換の目印となるパンチ≠ニ呼ばれる目印だそうです【Air-Attache様にご教示頂きました】
検証シーン(46)・・・停車した鐘鳴戦車三号・四号とトラックの横を騎兵部隊が通り過ぎて行きます・・・この後、渓谷の浅瀬部分を渡河して対岸の民兵ゲリラを追撃します。機械化部隊も、やはり四足の馬には敵わなかった様ですね。
検証シーン(47)・・・対岸を横切って脱出を図る民兵ゲリラに向けて砲撃を加える鐘鳴戦車二号と銃撃するファシスト叛乱軍の歩兵たちです。こちら側って意外と開けていたんですね。歩兵たちは独式フリッツヘルメットを被った装備の良い部隊です。鐘鳴戦車二号の砲塔は、自棄に四角張って見えます。前方装甲バイザーハッチが開けられていますが、展視孔部分に妙な格子状の覗き窓が付けられています。
検証シーン(48)・・・脱出を図る民兵ゲリラに砲撃を加える鐘鳴戦車二号の砲塔のアップシーン。とても37mm級の豆鉄砲とは思えない大口径・・・少なくとも75mmはありそうな主砲です。砲塔は殆んど旋回しませんが、多少は左右に動く様です。コマンダーキューポラ部分にも展視孔があります。開放された操縦席前部装甲バイザーハッチの装甲厚は50mmはありそうです・・・M3系列の前部装甲も、確かそれ位だったと思います。でもこの場面、ひょっとしたら・・・いや妄想はこれくらいにしときましょう・・・(大汗
如何でしたか・・・幻の戦車の雄姿。撮影・編集上の都合で止むを得ず登場しただけ・・・と言ってしまえばそれまでですが・・・まぁ早い話がクライマックスで緊迫したシーンが連続する中、殆んどの観客が気がつかない程の些細な事かもしれませんね・・・それに拘る私ATFって・・・(汗
【真実の鐘鳴戦車たち】
さて、このファシスト叛乱軍の戦車のモデルとなった車両は一体・・・前述の通りスペイン内戦は第二次世界大戦の前哨戦≠ニも言われています。そしてファシスト側と人民戦線側それぞれを独伊ファシスト政権と旧ソ連共産政権が支援しました。この為、ファシスト側には独伊の最新兵器が、また人民戦線側には旧ソ連の最新兵器が供給されています。それでは実際にスペイン内戦では、どの様な戦車戦が行われたのでしょうか・・・
■時期/1937年3月■場所/首都マドリード北方近郊のグアダラハラ
ファシスト側/独製I号戦車及びU号戦車、伊製CV(L3)33・35戦車
人民戦線側/旧ソ連製T26戦車及びBT3型、BT5型快速戦車
■戦闘結果■
人民戦線側の圧勝
■時期/1937年5月■場所/ガダラヤラ周辺
ファシスト側/伊製CV(L3)33・35戦車
人民戦線側/旧ソ連製T26戦車
■戦闘結果■
やはり人民戦線側の圧勝。ファシスト側戦車はほぼ全滅。
■時期/1937年7月■場所/ブルネテ
ファシスト側/独製I号戦車及びU号戦車
人民戦線側/旧ソ連製T26戦車及びBT3型、BT5型快速戦車
■戦闘結果■
戦車戦では人民戦線側が圧勝するも、独製37mm対戦車砲によって人民戦線側戦車も損害を被る。
結局このスペイン内戦においては、I号戦車及びU号戦車及びCV(L3)33・35戦車は旧ソ連製T26戦車及びBT3型、BT5型戦車には全く無力でした。所詮機関砲及び機銃程度の装備で、装甲厚も15mm程度の独・伊製戦車が、45mm級対戦車砲を装備した旧ソ連製戦車に歯が立つはずは無かった訳です。ファシスト側では、より大型の独製V号戦車及びW号戦車、伊製試作M11/39戦車(37mm砲装備)も試験的に戦闘に投入された様ですが、戦局には余り影響がなかった様です。しかし、戦車戦では全く無力だったファシスト側戦車ですが、対歩兵戦にはそれなりの効果は見られた様です。
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07月25日(火)
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