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ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File107】マカロニ戦線異状アリ・・・珍説イタリア戦争映画史《総括》
前述の様に『マカロニ・コンバット』は、マカロニ諸作品と切っても切れない関係にある・・・大体プロデューサーや監督、脚本や音楽担当等の主要な製作スタッフは元より主演俳優までも、既にマカロニ諸作品において名前の知られた面々だ・・・リー・ヴァン・クリーフ、ジャック・パランス、ジャンニ・ガルコ、ジョージ・ヒルトン、クラウス・キンスキー、ガイ・マディスン、ロベール・オッセン、フレデリック・スタフォード、ヴァン・ジョンソン、ピーター・フートン、ジュリアーノ・ジェンマ、リチャード・ハリソン・・・等々。またウンベルト・レンツィなんて監督に至っては、他の映画会社との契約上本名が使えなかったりするので、幾つもの別名を使い分けて何本も作品を制作している。ロケ地にしたってイタリア国内は勿論の事、それまでのマカロニ諸作品(歴史物や西部劇)の撮影に良く使用されていたスペインが利用された。スペインには、砂漠の様に乾燥し荒れた土地や緑溢れる森林地帯、聳える山々、風光明媚な海辺の島々、歴史深い古い街並み等、様々な気候風土に恵まれている。砂塵舞う荒涼とした戦場や、レジスタンスの待ち伏せるフランスの田舎道の雰囲気は充分・・・砂漠での戦闘シーンならエジプトって手もある。当時のスペインやエジプトの軍隊は安いコストで戦車やら大砲、時には兵隊まで貸してくれた・・・全く低コストな戦争映画を撮影するには持ってこいの場所だ。しかし幾ら製作コストを抑えようとしても、所詮は映画・・・どんなシーンでも一発で監督のOKが出るなんて希である。貴重な撮影用のフィルムはどんどん消費されて行く。ショボイとは言え爆破シーンや砲撃シーン、銃撃戦シーンは結構なコストがかかる。爆破シーンの撮り直しとなると、こりゃ大変だ。幾らセットとは言え、作り直すにはコストと時間がかかって面倒臭い。ならばいっその事、他の作品で使った戦闘シーンや爆破シーンをそのまま使っちゃどうだろう・・・版権の問題なんて気にすんなぁ(そんなぁこたぁないぞ・・・でも新たに撮影するよりは安いんだろうな)なぁ〜に観客なんてズブの素人のアフォ(オイオイ)ばかりなんだから、そんなシーンの区別なんてつかないって(くそぉ〜日本の戦争映画ファンを舐めんなよ〜ッ!)・・・こうしてシーンの使い回しは当たり前田のクラッカー。しかし待てよ!どうせなら戦闘シーン以外でも使いまわしが出来ないもんかなぁ・・・何か上手い手は無いものか?(きっと編集担当者の誰かが、何かの偶然で思いついたのだと思うのだが)・・・どうせ編集段階でカットされたシーンや何度も取り直されたテイクのフィルムは廃棄されるのだから、どうせならそれらを繋ぎ合わせて、別に一本作っちまったらどうだろう・・・(オイオイ幾らなんでもそりゃないだろう・・・って?いえいえ、それがあるんだよなぁ、これが)。最早『マカロニ・コンバット』の世界は、マカロニ・ウェスタンの舞台である西部の如く無法地帯と化していたのだった(実はマカロニ・コンバットだけに限らずマカロニ諸作品全般に当て嵌まる事なのだが・・・汗)こうして、後代の我々戦争映画ファン突っ込みどころ満載な『マカロニ・コンバット』の世界が形成されて行く・・・。

【イタリア製戦争映画≠マカロニ・コンバット】

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11月07日(日)
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