ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File101】101回目の観戦記・・・海軍騎兵大尉乗馬奮戦記【後篇】
訓練第一段階を終えた初級騎兵一同は、重い足を引きづり兵舎へと戻って行った・・・軍装に付着した泥の汚れを落とし、士官室のソファーにどっかり腰を降ろすと、一挙に疲れが襲ってきた。その所為か一同言葉が少ない・・・秘匿騎兵学校のマスコット犬ヨハンがソファーに近づいて、さも遊んでくれと言わんばかりに擦り寄ってくる・・・何故か私ATFの汗拭きミニタオルと軍手を甚く気に行った様子で、咥えて放さないのには甚だ困ってしまった。さて間もなく騎兵学校長夫人の手作りによる昼食の用意が出来上がり、一同挙って食卓につく。メニューはカレーライス・・・訓練で扱ごかれ、腹ぺこな初級騎兵たちは、アッと言う間に一杯目を平らげ、御代りをした事は外でもない。さて我々初級騎兵一同が、騎兵学校長夫人手作りのカレーに舌鼓を打っていた頃、我々の訓練記録を克明に記録してくれていた教官殿は、我々初級騎兵の訓練時間の合間を縫って、騎兵学校長殿と連れ立ち、秘匿騎兵学校外に校外騎乗へと出発していた。この校外騎乗は、この秘匿騎兵学校独特という訳ではなく、観光シーズンになると他の騎兵学校でも頻繁に行われるそうで、地域一帯あちこちで、場外騎乗の様子を見る事が出来るそうだ・・・調子に乗って三杯目のカレーの御代りを平らげたATF(喰い過ぎ)が、一息吐いていると、教官殿と騎兵学校長殿が、校外騎乗から戻ってこられた。教官殿と騎兵学校長殿が素早く昼食を済ませると、午後の騎乗訓練が開始された。午前中の騎乗訓練によって、どうにか並足程度は簡単に出来る様になっているだろう・・・などと多寡を括っていたのだが、そこはまだまだ初級騎兵の悲しさよ・・・未だ馬に乗せられていると言う状況に全く変りはなかったのであるが・・・。まずは午前中の訓練のおさらいから・・・並足から軽早駆けへと序々に移って行く・・・強めの鞭を入れて、馬に早駆けを促すのだが、これまた思う様には行かない。鞭を入れた時には、それなりに早駆けっぽくはなるのだが、油断すると直ぐに並足に戻ってしまう。完全に馬の方に主導権を握られている。後続する分隊士殿も技術大佐殿も同様に苦労されてはいるらしいが、今や他人の事に構っている余裕など全く無く前方を見るのも必死なATF・・・鐙に足を踏ん張り、馬の身体の上下の振動に合わせなんとか恰好をつける・・・しかし内心では振り落とされない様に必死であった。頭の中ではナポレオン戦争の映画や南北戦争の映画の中のシーンで、突撃時に落馬しながら鐙から足を抜く事が出来ず、そのまま引きずられて行く騎兵たちの哀れな姿が目に浮かんでは消える。額から流れ落ちる汗の半分は、冷や汗である事は間違いなかった!が、後に聞いた話ではどうやら後続のお二方もATFと同様な状況であった様である!こうして何時果てるともなく騎乗訓練は続き秘匿騎兵学校の馬場に騎兵学校長殿の号令が響き続けた・・・。次に横一線に並んでの並行行進の訓練に移る・・・全体が横並びとなって一線で行進するのは、騎兵が登場する映画ではお馴染みのシーンだが、これが考えているより難しいのだ・・・中々三頭横一線に並んでくれない。一頭毎に細やかな指導が続き騎兵学校長殿の厳しい号令と鞭により、馬たちがどうにか言う事を聞いてくれた。こうして騎乗訓練の第二段階もアッという間に過ぎ去って行った。最後に三頭横並びになっての記念撮影・・・訓練当初に比べて、馬と馬の間合が詰められる様になって、なんとか恰好はついて来た。そして最後には教官殿にも入ってもらっての記念撮影こうして騎乗訓練は無事終了した・・・。初級騎兵一同の胸中には、それぞれ疲労に勝るとも劣らない満足感に満ち溢れていたのであった!!時間は午後3時を過ぎていた。帰りの道中の状況を鑑み、一同協議の末、撤収を早めに行う事にする。軍装を解き片付け、技術大佐殿手作りの洋菓子で一息吐くと、騎兵学校長ご夫妻に別れを告げ、一同東京へ向け兵員輸送車上の人となった・・・しかし案の定、東京に近づくにつれ、道路上の渋滞度は増す一方で、一行が東京駅に着いたのは、日もどっぷりと暮れ腕時計の針はなんと午後8時を廻っていた・・・予想にもしなかった長時間の運転に従事された教官殿には、全くもって申し訳次第であった。更にこの様な貴重な経験をする事が出来、企画立案調整に尽力いただいた事には初級騎兵一同感謝の念が絶えなかった・・・本当にありがとうございました・・・教官殿に対し敬礼・・・頭ァ〜中ッ!

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12月28日(日)
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