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ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File099】あゝ邦画戦争映画は燃えているか・・・Shall We タンク!【後編】
「戦国自衛隊」の評価は、映画ファンの間でも分かれます。面白い・大好き・傑作#hとくだらん・つまらん・駄作#hです。不思議と中間的な意見は少ない様です。駄作派の主な理由は@原作と違うA演出が下手B設定出鱈目Cストーリーが強引・・・ってもの。さらにはD矢野一派による残虐シーンが不快という多くの女性観客の意見。面白い事にDは別にして、傑作派の意見もまた@〜Cをそのまま逆手に取っているのです。検索すると熱烈的非公式サイト≠焜qットします。ATFは勿論傑作派▼・・原作の設定を大きく変更し、ストーリーや時代考証に重きを置かず、未知なる世界に突然放り出された自衛隊員一人一人に焦点を当て、ある者は環境に順応し、またある者は順応出来ず死んで行く様をアクション中心に描いた点が非常に斬新でした。劇中歌「スクリーンに雨が降る」「戦国自衛隊のテーマ(サァ〜ン・ゴーズ・ダァ〜ン♪)」「ララバイ・オブ・ユー」等殆んどがバラード調の切なく物悲しい曲なのですが、場面毎の登場人物たちの心理描写を上手く具現化しています。駄作派の方が唱える様に原作との違いを羅列し、つまらない、面白くない、駄作だ・・・と決め付け、映画独自の持ち味や監督自身のイメージが優先され原作通りに映像化されなかった・・・というだけで、一概に作品を批判するのは筋違いです。基本的には映画と原作は別物。それぞれに独自の世界観が存在して良い訳ですし。「戦国自衛隊」の場合、タイムスリップをテーマとした原作より、一層アクション場面を強調し、一般受けを狙った(アクション監督千葉真一氏の思い通りの)作品だとして見れば、まぁそんなものか・・・と納得出来ませんか?公開翌々年の正月、テレビ特番で早くもテレビ放映・・・しかもノーカット&CMを込みでタップリ3時間の放送!現在ならば衛星系等で、公開1年以内に放映される事は珍しくないですが、当時では異例な程の特別扱い・・・それだけ角川映画の威光が凄かったって事でしょうか。数年後、再度テレビ放映されましたが、その時は2時間枠での放映でした。「戦国自衛隊」の場合、今観直してもいらない、と思えるシーンが幾つかあるので、2時間枠放映の時の様に贅肉を削ぎ落とし120分以内に再編集した方が、一般視聴者への受けは良いのかもしれません。「戦国自衛隊」を戦争映画と言い切るには、多々異論があるとは思いますが、嘗て【File084】漆黒の大陸・・・多勢に無勢【後編】で紹介したズールー戦争≠ナも敵味方の隔てる時間差の違いはあるにせよ、西洋式最新装備で武装した英国軍と、弓矢・楯・鉾・槍で武装したズールー軍との戦闘と、そう大差はありません。さらに以前からATFが提唱しているチャンバラ・コンバット系作品として、反戦や回顧、贖罪を主体とした戦争映画とは異なる資質を備えた作品だと言えると思います・・・って言うか戦車の話はまだかよぉ!?

【戦争映画史上屈指の出来!】

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11月30日(日)
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