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ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File086】おんな≠ヘ乗せ・・・てるじゃん!潜水艦【後編Vol.1】
米海軍太平洋潜水艦隊司令官のシャーマン提督(ケイリー・グラント)が、廃棄処分が決まった旧式潜水艦シータイガー号を訪れたところから物語が始まります。彼はこの潜水艦の初代艦長・・・航海日誌を捲りながら様々なエピソードが甦ってきます。1941年12月フィリピンのキャビテ軍港に停泊中の新造潜水艦シータイガー号は、日本軍機の奇襲攻撃を受け大破着底。米軍のコレヒドールへの撤退が決定されたため自沈が決定されるが、シャーマン艦長は命令を無視し短時間の応急処置で、取り敢えず最寄りの基地まで脱出する事を決定する。戦闘経験は全く無い伊達男の提督副官(物資調達の才能は抜群!)ホールデン大尉(トニー・カーティス)を加え・・・途中5名の陸軍看護婦たちを救出、物資調達の代償に民間人(妊婦や子供、ヤギまでいる)を乗艦させたことから混乱は頂点を極め・・・。シータイガー初戦果のトラック撃沈(笑)・・・資材不足で艦体のさび止め塗料のペンキ不足から、赤と白を混ぜたのは良いが、結果的にピンクになってしまい(白黒作品では使えないギャグ)未確認潜水艦として連合軍艦船から爆雷攻撃を受け・・・あわや風前の灯火・・・!を思わぬ機智ですり抜ける・・・『ピンク・パンサー』シリーズ『ティファニーで朝食を1961』『地上最大の脱出作戦1966』を手掛けたナンセンス・コメディの名手ブレイク・エドワーズ監督のドタバタではなくスマートな傑作コメディ戦争映画。トラブルに直面する度のケーリー・グラントの困った顔が見もの。撮影には実在の米海軍潜水艦USSバラオ(SS-285)が使用されています。セットで使用された潜水艦の艦橋がハリウッドに残ってるそうです。で、この米潜水艦の艦内が広くて明るい(なんとシャワーまで有る!)のが、狭いよ〜暗いよ〜な他の潜水艦映画と大きく違うとこですか・・・。まぁ陸軍の看護婦たちを乗艦させる以前に、色々災難が降って来てるので、特に女性が災いの元とは言えませんなぁ・・・結局は、最後のこれでもかって言うくらいのハッピーエンドに繋がっている訳ですから・・・!!実はホールデン大尉役のトニー・カーティスは、戦時中実際に潜水艦の通信兵として勤務していたそうです!彼が海軍に志願したきっかけとなったのが、ケーリー・グラント主演の「DestinationTokyo(1943)」を観た事だったとか・・・映画スターとなった後、彼が最も出演したかったのが「ケーリー・グラントとの共演の潜水艦を舞台とした映画」だったらしい。ヒロインの一人ダイナ・メリルは同じ年に製作されていたジェリー・ルイスの『底抜け船を見棄てるな』にも出演。ホールデン大尉と相部屋になるストーバル少尉役のディック・サージャントは米国人気テレビドラマ「奥様は魔女」の二代目ダーリン。「Operation petticoat」も連続ドラマ化され1977年9月〜1979年6月まで2シーズン33話が放送され人気を博したそうです。物資調達のプロは戦争映画では良く登場しますが、この作品のホールデン大尉は「大脱走1963」のヘンドリー「グリーン・ベレー1968」のピーターセン軍曹に並ぶ戦争映画史上の三大調達屋の一人に挙げられますな。『ペティコート作戦1959』はこちらをご参照下さい
潜水艦イ-57降伏せず(Submarine I-57 Will Not Surrender/1959)
いわゆる邦画戦争映画界に最も活気のあった1950年代〜1960年代の最盛期に制作された良質$争映画のひとつ。俳優や制作スタッフに軍隊経験者が多数いて、本来の軍隊の雰囲気が良く描かれています。演じる俳優陣は、ざっと以下の通り・・・。
河本少佐(イ-57潜艦長/池部良)
当初は危険極まりない任務として反対しているが、国家存亡の危機に直面し任務を引き受ける。一見クールだが実は熱血漢らしい。人情に厚く全乗組員から慕われている。
志村大尉(イ-57潜先任将校・水雷長/三橋達也)
艦長の右腕で、熟練の先任将校。艦長に絶対の信頼を置いている。部下の人望も厚い。
中沢軍医中尉(イ-57潜軍医長/平田昭彦)
何よりも乗組員の健康を気遣う。英語が堪能。ベルジュ親子の身辺の世話を担当する。
清水機関大尉(イ-57潜機関長/三島耕)
足立中尉(イ-57潜通信長/岡豊)
永井中尉(イ-57潜航海長/土屋嘉男)
山野少尉(イ-57潜甲板士官/久保明)
遠藤少尉(イ-57潜配属回天特攻隊員/瀬木俊一)
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05月04日(日)
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