ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File084】漆黒の大陸・・・多勢に無勢【後編】
反英国の旗の下に蜂起したズールー軍と、小さな砦を守備する英国軍の攻防戦の実話を基に描かれた長編作品。たった100名程度の英国ウェールズ部隊が4000名のズールー部隊に対し死力を尽して応戦する様は「アラモ」にも似た悲壮感を漂わせ、将に多勢に無勢≠ネ作品です。史実は後述の「ズールー戦争 野望の大陸」で描かれたイサンドルワナの戦いの後の話なのですが・・・。出演者は戦争映画界でも名だたるメンバー・・・指揮官チャード工兵中尉(スタンリー・ベイカー/プロデューサーでもあり騎士≠フ称号を持つ/怒りの海1953・赤いベレー1953・韓国の丘1956・ナバロンの要塞1961)悩める宣教師ウィット(ジャック・ホーキンス/戦争と冒険1972・勇将ジェラールの冒険1969・ワーテルロー1969・アラビアのロレンス1962・戦場にかける橋1957・怒りの海1953・マルタ島攻防戦1593・マレーゲリラ戦1952)とその娘マルガレタ(ウーラ・ヤコブソン/テレマークの要塞1965)そして怪力先任軍曹ボーン(ナイジェル・グリーン/大侵略1968・トブルク戦線1966・殴り込み戦闘機隊1956)レイノルズ軍医(パトリック・マギー/バリー・リンドン1975・戦争と冒険1972)そして何よりこの作品では1956年「韓国の丘」でデビューしたマイケル・ケインが、名門出身でちょっと高飛車なブロムヘッド中尉役を好演し注目を集めました。また映画音楽界の重鎮ジョン・バリー(007シリーズや「マーフィーの戦い1971」「ハノーバー・ストリート1979」「ヒトラー最後の日1981」「ダンス・ウィズ・ウルブズ1990」等)によるテーマ曲も胸を高ぶらせる名曲です・・・。随分以前、お馴染みテレビ○京で放映されたそうですが、ビデオは発売されていなかった様で、レンタル店でも見た事ありませんでした・・・しかし嬉しい事に昨年末にDVDスペシャルエディション(史料解説&メイキング)版が発売されました!

【ズールー戦争/野望の大陸(ZULU DAWN1979)】
1879年1月12日に行われたセテワヨ率いるズールー王国軍と英国現地軍とがナタール地方イサンドルワナで初めて激突した大規模戦闘をモデルにして描かれた作品です。このイサンドルワナの戦いでは、英国軍司令部がズールー王国軍の戦力及び位置情報の判断を誤り、1700名の英国現地軍先遣隊が、槍と盾そして僅か旧式銃を装備したに過ぎないズールーの大軍に包囲ズールー軍の猛攻@ズールー軍の猛攻Aされ、1300名もの戦死者を出して壊滅する様が時系列的に描かれています。英軍部隊は1700名もの兵力で、映画では大砲まで装備しており、全然多勢に無勢≠チて感じではないのですが、油断しきった英軍の野営陣地の彼方から大地を埋め尽くす様にズールーの戦士たちが迫って来る様は、あたかも観る者が自ら英軍の戦列にいて小銃の照準を覗いている様な錯覚に陥り「ブラックホーク・ダウン2001」のそれにも似た恐怖感が味わえます!いざ防御線を突破されてしまったら、英軍の装備した最新の大砲や銃が役に立たず、モノを言うのがズールーの戦士の手にした蛮刀や槍だって事ですね・・・全く鬱な映画ですッ!劇中で射撃開始地点の目印を設置しようとして戦死する兵士や規則に拘って弾薬の配給を怠り弾薬不足に陥る様子や、戦いに批判的ながらも優秀な現地人志願兵を率い奮戦、遂には戦死するダーンフォード大佐(バート・ランカスター)、英国軍に偽情報を伝える為わざと捕らえられるズールーの戦士たち、地元の名士で射撃の名手ながら最後は軍旗を奪われまいとして壮烈な戦死を遂げるベルカー中尉(サイモン・ウォード/戦争と冒険1972・アドルフヒトラー最後の10日間1973・スカイエース1976)のエピソードなど見せ場は豊富です。その他、暢気に前線で食事なんぞ摂って、味方に大損害を出しながらも左程堪えてない総指揮官シェルムスフォード卿を演じるピーター・オトゥールやジョン・ミルズ、デンホルム・エリオット、ボブ・ホスキンスなど英国映画界を代表する名だたる俳優が顔を揃えております。監督はダグラス・ヒコックス(スカイ・ライダーズ1976)こちらの音楽は同じく映画音楽界の重鎮エルマー・バーンスタイン!こちらの作品は国内版DVDは発売されておりません。ビデオは発売されているのですが廉価版ではないので、大きなレンタルビデオ店でしか観れないかも・・・。実際のイサンドルワナの戦場


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04月20日(日)
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