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ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File059】正義≠ニ脱走≠フためでなく【ネタバレ警報】
B人種差別も中途半端にしか描かれていない。第二次大戦までは米軍においても白人とアフリカ系兵士は区分された部隊編成だった。アフリカ系兵士の一部は、後方勤務や輸送部隊などに配属されていたが、朝鮮戦争を経て一般的に混在配属されるのはベトナム戦争くらいか。戦争・軍隊モノ映画でも人種差別をあつかった作品は過去幾つか制作されているが「バファロー大隊1960」や「ソルジャー・ストーリー1984」のような、もっと一般兵士達の心象の奥底に強く根付いた差別意識の演出があっても良かったのではないか。
C殺人事件もいきなり死んでるよ・・・殺人までのなりゆきが見えません。ちょっと余所見した隙に、もう被害者が死んでた・・・一体誰が殺したんだ・・・誰か教えてちょ!
D軍法会議も中途半端・・・時間がないのは解るが、余りに早急な展開・・・「ア・フュー・グッドメン1992」や「軍法会議1955」のような、特異な裁判形態に対する細かな演出は無理としても、もう一歩踏み込んだ法廷シーンの演出が欲しかった。

以上すべてを求めるのは、やっぱ無理なんでしょうか。そういう風に納得して観ると、二転三転するストーリー、最後まで結末が見えない演出・・・いや〜面白かった作品ですよ。捕虜収容所&脱走<cmの新たな名作に加える事が出来るでしょう。
でもやっぱりジャスティス≠チてタイトルは気に入らないなぁ!やっぱ原題通りにハーツ・ウォー≠ノして欲しかったですね。でもね・・・「Hart's War」って一体・・・やっぱ「心の葛藤の戦い」それとも「ハート中尉の戦い」・・・?

【心の戦い・・・説】主要登場人物それぞれの心の葛藤の戦い≠チて面を描いていると言った観点から見てみると・・・。
【マクナマラ大佐】ブルース・ウィリス/ハリウッドのトップ俳優の一人
バリバリの軍人一家の中で育った生粋の士官学校出の捕虜収容所のリーダー(ウェストポインター/所属は第1歩兵師団/ジャケットの袖には「最前線物語1980」でも有名な部隊章が・・・)捕虜となって、毎日をただ無作為に過ごしている自分に対する葛藤を絶えず感じているようです。ハート中尉が受けたのと同じ拷問を一ヶ月も耐えたそうなので強靭な神経の持ち主なのでしょう・・・反面、その結果精神をどこか病んでしまったのかもしれませんが。今回の脱走計画が、そんじょそこらの脱走計画と大きく異なるのは、彼の軍人としての矜持・誇りの成せた結果だったのでしょうか・・・(お話の途中までは、ただの自尊心の強い意地っ張りの頑固者・・・差別主義者の様にしか見えません・・・)ハート中尉他、軍法会議に加わった者が、脱走の共謀者として処刑される寸前に、軍人としての責任感から自ら全ての罪を負います(ブルース・ウィリス美味し過ぎって感はありますが・・・)
【ハート中尉】コリン・ファレル/ハリウッド期待のアイルランド系俳優
名門イェール大で法律を学んでいる最中に召集されたらしいですが、上院議員の父親のコネで、士官として後方の司令部勤務要員に甘んじています。しかし本人は、案外危険の少ない後方勤務を良しとしていたのかもしれません。でも捕虜になった事は家名の恥≠ニ感じている様です。でもそれ以上に、独軍の尋問によって情報(燃料補給所の位置)を白状してしまった事が、シコリとなって心の奥底に残っています(でも、後半部分では余り心の葛藤は描かれていませんが・・・)マクナマラ大佐指揮の脱走作戦(コレを書いてもいいものか・・・エイ書いちゃえ・・・収容所に隣接する軍靴工場、実は弾薬工場を爆破するという重要な目的が・・・)と、それを偽装する為仕組まれたスコット少尉の殺人事件の間の板ばさみとなり、最後は全てを収拾する為、大方の予想を反した決断・・・すべての罪を自分自身が被る・・・という暴挙に及ぶ。ほんとこの行動は予測できませんでした・・・(でも演じるコリン・ファレルいい味出してます。早くタイガーランド♀マなきゃ・・・)
【ビッサー大佐】マーセル・ユーレス/ルーマニアで有名な舞台俳優

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09月30日(月)
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