ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File048】記念連続ドラマ第四夜「プライベート・ライアンとラメルの橋」前編

chap.12レーダー基地(前編)
ありふれた小高い丘、そこにドイツ軍が誇る最新型ザルツブルグレーダー基地があった。巧みに偽装され、上空からの発見は難しそうだ。しかもまるでハリ鼠の如く対空火器網が張り巡らされているらしい。当初、力攻めに攻撃した空挺隊だったが、忽ち敵の重火器の照準に捉えられ、甚大な損害を被った・・・。コリャ大事だぜ・・・目標を双眼鏡で眺めていたガフィ軍曹が葉巻を咥えたまま呟いた。その横で同じく敵陣を観察していたミラー大尉は黙ったまま。コレだけの防御だ、3両の戦車じゃどうにもならん・・・。目標の丘の周囲は大した障害物もない平原・・・彼方此方に砲撃痕が穴を開け、無残な空挺隊員たちの死体が散らばり、一筋の小川が丘の麓に沿って流れているだけだ。「大尉、まさか正面切って突撃しろ≠ネんていわないでしょうね?」ガフィ軍曹がミラー大尉の顔色を覗う「ちょっと考えさせてくれ・・・軍曹」ミラー大尉は一人黙って敵陣を見つめていた・・・暫く後ミラー大尉はバンダービルド中佐の指揮所にいた・・・衛生兵のウェイドが中佐の脚の手当てをしていた。降下時に挫いたそうだ・・・「中佐殿、私の作戦では・・・」ミラー大尉の説明を、部隊の各指揮官たちが聞いている。「もはや力押しは利かないでしょう・・・無傷で奪取するとなると、この方法しか無いと本官は思います」ミラー大尉が強い口調で言った。バンダービルド中佐は渋い顔で聞いていた・・・今までの甚大な損害と無理に応援を頼んだ手前、仕方がない・・・「解った・・・大尉、君に指揮を任せよう」ミラー大尉は、頷くと作戦の詳細を、各指揮官個別に説明していった・・・まるで教師が生徒に教えるよう丁寧に・・・。「作戦開始は14:00・・・13:45までに、各隊は所定の位置に付け・・・13:15に時間を合わせる・・・10秒前・・・5秒前・・・3・・2・1、時間ッ。かかれ・・・」各指揮官たちは敬礼し、部下たちの所へ散っていった。後にはホーバス軍曹とガフィ軍曹、ライベン、ジャクソン、メリッシュ、ウェイド、アパムだけが残った。「ホーバス軍曹、ガフィ軍曹・・・よろしく頼む・・・作戦の成功はお前達次第だ・・・」「まあ、せいぜいしっかりやりますよ・・・」ガフィ軍曹がレーダー基地のある丘を眺めながら言った・・・ホーバス軍曹は相変わらず心配顔だ・・・「また、そんな暗い顔をする〜?」「でも中隊長・・・任務が違います・・・」「戦争に勝つ事が任務だ・・・気の進む任務が何処にある・・・?」一同は顔を見合わせた・・・13:30・・・作戦開始まであと30分・・・。

chap.12レーダー基地(後編)
戦車3両、105mm榴弾砲搭載ハーフ1台を中心とした戦闘団主力と混成空挺部隊主力はレーダー基地正面の配置に就いた・・・ドイツの誇る88mm高射砲の直接射撃の有効距離ギリギリのラインだ。13:55作戦開始まであと5分。各砲とも弾薬を装填し準備は完了した・・・。
13:59各車エンジン始動・・・
14:00作戦発動!戦車3両とM8装甲車、M3ハーフトラック3台、武装ジープ2台が88mm砲の水平有効射程ギリギリのラインで行動を開始・・・エンジンをふかし全速で走り、戦車砲が吼え機銃とライフルが一斉に火を噴いた・・・レーダー基地守備のドイツ兵たちは慌てて陣地に飛び込んだ・・・連合軍の本隊が到着した・・・すわ総攻撃だ・・・。忽ちドイツ軍側からの応射が始まったが、有効射程ギリギリでちょこまかと動きまくる戦車や車両群への命中弾は得られない・・・絶え間ない無駄な砲撃が続い・・・た。

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07月07日(日)
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