ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File041】あゝ邦画戦争映画は燃えているか・・・突入編【ネタバレ警報】
この作品、特に山荘の包囲・突入シーンでは、犯人側の発砲するライフル・散弾銃と機動隊側からの催涙ガス弾と拳銃弾(使用許可が出るのは警察側に殉職者が出てからですが)の飛び交う最前線のような臨場感が演出されています。至近距離での銃撃戦は、第一次大戦を舞台とした塹壕戦や「二○三高地」の様な要塞攻略戦、「スターリングラード(1993)」や「ウィンターウォー」での白兵遭遇戦を連想させてくれます。実際、コレほどの銃撃戦が行われたのか、実写の記録フィルム等観てもわかりません。誇張演出されているのかもしれませんが、私ATFが度々嘆いている邦画の銃撃戦は迫力が無い∞銃器の演出が下手≠ニいう視点から観れば、充分及第点を差し上げれます。まあ本格的戦争映画の様な機関銃や火砲の応射はありませんが、犯人側の殺傷力のある銃器に対し、催涙ガス銃でしか応戦が出来なかった機動隊員たちが恐怖心を打ち消す為、片っ端からガス弾を打ち込むシーンは「二○三高地」でロシア軍の機関銃陣地に立ち向かう日本兵の姿を思い起こさせました。また登場する特型警備車=装甲放水車≠ェ、犯人側の銃弾を跳ね返しながら前進してくるシーンは「バルジ大作戦」で米軍陣地を突破してくる、将に独軍戦車そのモノ。装甲車の中から防弾ガラス越しに山荘を視察しているシーンで、真正面に銃弾が当たり、貫通はしないが余りのショックで車内でひっくり返るシーンは「やっぱそうなんだろうな〜」と感心させられました。特にこの特型警備車≠謔ュ出来てます。なんでも中身は旧式の消防車だそうですが・・・。いよいよ鉄球による攻撃開始・・・この辺の事情は○HKの人気番組「○ロジェクトX」でも放送されていたので、余り踏み込んだ演出は無いように思えます・・・何でも噂では原作者の佐々氏は、その番組を観て怒った≠サうですが・・・。そしていよいよ山荘内への突入シーン。指揮官が殉職(戦死)し復讐心に燃える警視庁第二機動隊員たち(自制心を失っているとして、第九機動隊と配置が交代させられるのですが、それを不満と上司に食って係る)。余りの緊張から自制心を失う現場指揮官。犯人側からの応射、鉄パイプ爆弾により次々を出る重軽傷者・・・。高圧放水により壁をぶち破る間の緊張・・・「突入、検挙せよ〜ッ」破られた壁の穴目掛け、犯人の立て篭もる最後の部屋へ我先に突入していく決死隊員たち。次々の犯人を検挙。人質の生存を無事確認した時の人々の安堵とテレビを注視する人々の歓声と拍手。そして全てが終わった後の焦燥感。「ハンバーガー・ヒル」で頂上に達した場面、邦画で言えば「二○三高地」で砲台に到達した場面・・・以外にこんな場面演出を観たこと無い・・・ぞ。
Bその他人物・情景演出的考察
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05月13日(月)
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