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ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File040】ミニ戦艦、チョコ戦艦、やっぱポケット戦艦だよな〜ッ・・・軍艦洋画編Vol.1

【ビスマルク号を撃沈せよ】1959制作
さて、もうひとつ大型艦%ッ士の激突が堪能できる作品を・・・。戦争映画ファンには言わずと知れた作品です、しかも低価格ソフト化されていて、比較的簡単に手に入れることが出来ます。前述のグラフ・シュペーと異なり、こちらは殆んどミニチュアを使って撮影されていますが、セットではありますが波を蹴立てて進む巨艦は、結構雰囲気が出ております。また、この作品は、前述の「戦艦シュペー号の最後」があくまでも一線部隊でのお話だったのに対し、英海軍省におけるビスマルク対策本部長シェパード大佐(ケネス・モア)≠中心に、副官(美人秘書・・・役のダナ・ウィンター)との関係やその他の人物の様子も描かれています。さながら現代社会における大手スーパー巨大競合店の出店対策に追われる本社営業本部長(相手のセール・店舗内容(情報)や自社の売出商品(艦船)の不足、上司(チャーチルや海軍卿)からの圧力、家庭問題(作戦行動中に行方不明になる息子)に耐える)のような、その姿には、思わず涙・・・が。ケネス・モアが激しい商戦の中で苦悩する中年管理職の悲哀をバッチリ演じてくれます。そして戦いに疲れた管理職に美人秘書から差し出される一杯のお茶・・・。今から40年以上も前に、こんな映画が作られていたなんて・・・って言うか、今も昔も変わらないって事ですか・・・。さて第三帝国の威信を賭けて建造された戦艦ビスマルクは、同型艦テルピッツと共に攻防走のバランスが取れた優秀な戦艦でした。海軍力では到底英国に及ばない独海軍ではありましたが、強大であるが故に世界各地に艦隊を派遣し分散せざるを得ない英海軍に比べ、限定された作戦海域に艦隊の集中投入が出来る分、独海軍の方に分があった訳で、開戦初頭においては結構戦果を収めました。しかしノルウェー方面の作戦で唯でさえ少ない巡洋艦・駆逐艦戦力に大きな損害を被った事により、もはや艦隊運用作戦は放棄、数隻または個艦による通商破壊戦によって島国英国の首をジワジワと絞めていく事になります。こうしてUボートや通商破壊艦(戦艦、重巡、ポケット戦艦、仮装巡洋艦等)が大活躍する訳ですが、我等がビスマルク号も1941年5月21日、リュッチェンス提督(ちょっと時代遅れな提督で、部下のリンデマン艦長など苦労させられます)麾下、僚艦の重巡プリンツ・オイゲンを引き連れ大西洋の猟場へと出撃します。物語はこの時から、最後までをドキュメントタッチで描いていますが、海戦場面の見せ場は、前半部のビスマルク・プリンツオイゲンVSフッド・プリンスオブウェールズの巨艦の激突(この時、ビスマルクの放った一弾により、運悪く弾薬庫を直撃された世界最大の巡洋戦艦フッドは、僅かに生存者3名のみを残し轟沈(将にこの表現がピッタシで目撃した敵味方とも唖然=j≠ワだ完成前で作業工員を乗せたまま参加したPOWも直撃弾を受け、大きな損害を被った)中盤での、英国水雷戦隊による夜襲と空母アークロイヤル搭載ソードフィッシュ機による迫力の航空雷撃戦(航空機ファンには堪らないソードフィッシュ(ストリングバック)アップシーン多数!味方巡洋艦シェフィールドをビスマルクと間違って雷撃するシーンは、新型の磁気信管のお陰で不幸中の幸い。応戦するビスマルクの対空砲火がポムポム砲≠ネのが、ちょっと興醒め、せめて20mm四連装にして欲しかった)このソードフィッシュ機の雷撃の一弾が舵を破壊し、ビスマルクを航行不能に陥れます)そして終盤、英海軍のトーベイ提督に率いられた戦艦キングジョージ五世以下の艦隊に包囲され集中砲火を浴び、遂に1941年5月27日、大西洋の波間に姿を消すビスマルク、という構成になっています。敵弾に倒れたリュッチェンス提督が最後まで握り締めていた、ヒットラーからの電報をリンデマン艦長が「宝物だ・・・」と呟くシーンが印象に残ります。劇中の艦船シーンの多くはミニチュアですが、一部ビスマルクの艦上シーンなどは英国海軍最後の戦艦ヴァンガードが演じています。砲撃シーンでは、やたらと敵味方艦の砲術(長)士官?の顔がアップになり「シュート」「ファイアー」と号令を賭けるシーンは何とかならんかな〜と思ったりしますが。


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05月12日(日)
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