ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File027】柵も看守も乗り越えて、逃げるが捕虜の生きる道ど〜ッ脱走≠oart.2
戦時中の日本軍には、かの東條英機大将が作った戦陣訓≠チてのがあって、その中に生きて虜囚の辱めを受けず≠チて一文がありました。この一文の為に「日本兵は降参せず死ぬまで戦う」って事になった訳ですが、実際は1941年12月8日の真珠湾攻撃の時から既に日本人捕虜がいた訳です。この戦陣訓≠フ言う所の「捕虜になるくらいなら死ね」ってとこなんですが捕虜にならない≠チて事を強調しすぎたが為に事実捕虜になってしまったら≠ニいうアフターケアが無≠ナあった訳です。欧州の捕虜のように「捕虜になったら収容所にできるだけ看守の兵力を貼り付けさせろ」とか「飯を鱈腹喰って物資を消費させろ」とか「脱走して後方を攪乱せよ」とかね。まあ自らの意思で捕虜になるってのは流石に少なかったようですが(戦争後半から序々に増加)負傷したりして人事不詳に陥り、止むを得ず捕虜になった場合の多くは、一部を除き捕虜になった後も自決≠キる例は少なかったようです。で、この「カウラ大脱走」ですが、豪州のカウラにあった日本兵捕虜の収容所を舞台にして起こった日本兵捕虜の集団脱走(って言うか集団暴動)を扱った実話ベースのTV映画。日本兵役の主役は、自らの不倫騒動や息子の大麻騒動などで何かとワイドショーを騒がせる、今や死後となったトレンディ・ドラマ≠フ王者、石田純一。他に名前の知られた日本人俳優は登場してません。実際、この集団脱走事件は、計画そのものが偶発的(元々計画らしいものはなく、捕虜の移動が決まった直後に発生)で、武器とか殆んど無い状態で起こってます。棒切れや手製のナイフなどを振りかざして豪州軍看守の機銃に立ち向かって行ったそうです。考えてみれば、脱走しても同じく白人社会の中に紛れ込める欧州と異なり、どう考えても白人社会には紛れ込めない。仮に中国人に化けたとしても脱走の手助けをして貰えるはずはない。また、どうやって豪州から日本軍占領地域へ逃げるのか・・・さらに肝心なのは、日本軍自体脱走してきた捕虜には冷たいって事。建前上、日本兵の捕虜≠ヘいないのですから、無事戻っても戦死≠チて事になってたりして、挙句の果てに再び戦死確実な任務に回される率が高い。事実、捕虜から救出された海軍の陸攻搭乗員が、自爆するまで何度も危険な出撃をさせられたのは有名な話。という訳で、この映画の最後も悲惨です。主人公の日本兵と豪州兵の看守との間で束の間の友情が芽生えたりしますが、最後は・・・。捕虜の中に起こった集団ヒステリーから発生した発作的暴動ってのが真相ですか。なんか日本兵捕虜が着せられている赤紫色≠フコートって変です。やっぱ捕虜って事を目立たせる為ですかねぇ〜ッ。現在でも、現地には死亡した日本兵たちが手厚く葬られています。合掌
【脱走戦線】
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02月04日(月)
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