ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File122】スペイン内戦勃発70周年・・・誰がために鐘は鳴るなり豆戦車@
調べたところ豆戦車=タンケッテ≠ニは、軽戦車よりさらに小型・軽武装な戦車の事を総称した名称です。装甲(自動)車とは違うのか・・・基本的には走行装置がキャタピラ(無限軌道)という点が装甲(自動)車とは異なります。乗員は1〜2名で、その多くには砲塔は無く、武装も多くは機関銃1〜2挺、精々20〜37mmの小口径砲1門を備えただけの軽武装。一説には、第一次大戦後の1925年に英陸軍少佐ジョージ・マーテル卿(Sir George Martel/後陸軍中将)が、自宅ガレージで旧式乗用車やフォードトラック等の様々な自動車部品を利用して試作した一人用豆戦車が、その元祖と言われています。その後、量産用試作車両が自動車メーカーのモリス社において4両製作され、1926年3月に完成しました(モリス・マーテル豆戦車/Morris-Martel Tankette)・・・その4両中3両は一人乗りでしたが、試乗の結果、操縦しつつ機銃を操作するのが困難として乗員が2名に変更されます。このモリス・マーテル豆戦車が、カーデン・ロイド社に引き継がれ、後の豆戦車へと発展、その多くが第二次大戦前の1930年〜1935年頃にかけて開発・生産されました。これら豆戦車は、その低コストさから第一次大戦後に新たに独立した新興国家や十分な軍備予算のない小国家、大規模な戦力を派遣するほど余裕の無い大国の植民地などに多数配備されました。これらの豆戦車は、大型の火砲や厚い装甲を有した各国の主力戦車には全く歯が立ちませんでしたが、有効な対戦車兵器や戦車を有さない反政府組織(独立or叛乱軍・反政府ゲリラ等)を相手とした場合においては、装甲された自走装甲機銃座として極めて有効な兵器となりました。また戦闘時以外では、砲や物資の輸送・牽引用のトラクター代わりにも用いられ、小回りの効く万能兵器だった訳です。因みに第一次大戦中にフランスで開発された、初の全周型砲塔を搭載したルノーFT17軽戦車を、豆戦車の祖だと言う説もあります・・・【以下は各国の主要・有名豆戦車】
イギリス/カーデン・ロイド(Carden-Loyd)系(MkI〜MkVI)・ユニバーサル系多目的キャリア
イタリア/CV(カルロ・ベローチェ)33/35系
ポーランド/TKS(TK-3)系
日本/九四式軽装甲車系・九七式軽装甲車系
因みに豆戦車=タンケッテ(Tankette)≠フTankette≠フ語源ですが、調べてみたところ・・・はっきりとは解りませんでした・・・(汗。ご存知の方、是非ご教授下さい。一説ではKette≠ニは独語で履帯=キャタピラ≠フ事だとか・・・英語で戦車を示すTank≠ニ独語の履帯を示すKette≠ェ合体した単語なんでしょうか・・・ね?

【工業大国アメリカの戦車開発史序説】

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07月17日(月)
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