ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File107】マカロニ戦線異状アリ・・・珍説イタリア戦争映画史《総括》
世の中には私などより数倍も数十倍も詳しく、そして熱く語っている映画系サイトは山程あるし、この観戦記を読まれている皆さまの中にも詳しい方は大勢居そうなので、これ以上マカロニ映画全般について語るつもりはない。さてマカロニ映画作品・・・特にアクション系西部劇である『マカロニ・ウエスタン』が大量生産される中で、スパイ物やギャング・刑事物のアクション系映画と並んで戦争映画も製作される。それらは他のマカロニ映画作品と同様に、短期間に低コストで大量に製作された・・・金と時間、手間のかかっていない戦争映画・・・大量のエキストラや軍服や兵器等の小道具、戦車や戦闘機、軍艦等の大道具、ミニチュアによる特撮セットの製作や準備にコストや時間が大量にかかる大部隊同士の激突する大会戦や、多数の戦闘機が飛び交う大空中戦、戦艦同士が巨砲を撃ち合う大海戦とは異なる戦場・・・を舞台とし、必然的に小部隊による限定された戦闘・・・例えば「コンバット」の様な・・・を描いた作品であった。しかし「コンバット」の様な毎週30〜60分の時間枠内で完結する物語を描いたテレビ的な映画では客は呼べない。確かに戦争映画の中には、一兵士の日常や小規模戦闘を中心に描かれた作品は幾つかあるが、反戦などのテーマを強く打ち出したり芸術性の高い作品でなければ、コアな戦争映画ファンでもない限り、それほど映画として一般には話題にはならない。それでは一般観客が喜ぶ小部隊による限られた戦闘空間≠ニは・・・そこで登場するするのが【@秘密兵器】【A機密情報】【B重要人物】【C大作戦】そして【D特別任務部隊】と言う5つのキーワードである。ストーリーは戦局を一転させる程重要な・・・秘密兵器の破壊又は奪取、重大な機密情報の入手、重要人物の救出又は誘拐或いは暗殺・・・そして殆んどの場合、これらに描かれた設定は、その後に実施される予定の世紀の大作戦の布石で、任務達成の為に最低限の少人数による特別任務部隊(ある時は精鋭揃いであったり、またある時は囚人や飲んだくれのゴロツキだったりするが、大抵はそれぞれが特殊な技能を持っているのが一般的)が投入され、危機また危機の物語が展開し、観客たちは彼らの活躍を手に汗握り、スクリーンに喰い入るのである。そして、その合間には色っぽいお姉さんとのラヴシーンのオマケが入り・・・こうしてお決まりパターンによるイタリア製お手軽お気軽戦争映画が生み出される。これらの作品は既に人気が出ていたイタリア製西部劇『マカロニ・ウェスタン』と共に日本の映画配給会社によって大量に買い付けられて映画館で上映され、そしてテレビの洋画劇場で繰り返し放映された・・・これらはイタリア製西部劇『マカロニ・ウェスタン』に肖って名前が付けられた・・・それが『マカロニ・コンバット』である!

【マカロニ・コンバットの攻防・・・いや興亡】

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11月07日(日)
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