ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File085】おんな≠ヘ乗せ・・・ない潜水艦【ネタバレ警報:前編】
@いきなりオープニングで登場するPBYカタリナ飛行艇・・・Uボートに撃沈された英国病院船の生存者を発見するも燃料ギリギリの為に着水して救助できないという苦しい設定でしたが・・・そうです「U-571」のラストシーン憶えてますか・・・生き残ったタイラー大尉ら一行を発見する哨戒機・・・ハイッ!ズバリPBYカタリナ飛行艇でしたねぇ〜ッ!!
A救助された生存者三名の中の一人・・・実は負傷した捕虜のドイツ人パイロットなんですが、後に独駆逐艦の攻撃を受けた時にいきなり鳴り出す蓄音機の犯人として処刑されちゃうんですが・・・そうです「U-571」でも救助されたドイツ人乗組員?が、外壁を叩いたモールス信号で独駆逐艦?に事実を伝えようとしましたねぇ・・・。
B結局主人公ら一握りの乗員をわざわざ生き残らせる為、他の乗員を無理やり口減らしするのですが、それが女性の乗艦≠竍○うれい騒ぎ≠起因とした水素ガスがドッカ〜ン!!≠ネのですが・・・「U-571」では米潜S-33がUボートに雷撃されてドッカ〜ンな設定でした・・・そう言えば「U-571」って、英駆逐艦からの爆雷攻撃によって機関室で火災が起き、機関長以下機関科が全滅してましたっけ?それと両作品とも艦長がとっとと死んでいましたねぇ・・・「ビロウ」における艦長の死因は、ちょっと無理矢理っぽかったですけど・・・まあ○うれい騒ぎ≠フ伏線にはなってましたが・・・
C両作品とも、もうこれ以上ないってくらい独駆逐艦からの爆雷攻撃を受けて艦体ボロボロなのに、潜水限界深度は平気で越えちゃうし、少ない人数で操艦できちゃうし・・・。そう言えば「ビロウ」に登場した新手の対潜戦法である鋼鉄のアンカーによるトロール戦法が斬新でしたねぇ・・・あんな装備を持ってるって事は、あの独艦は駆逐艦ではなく掃海艇か敷設艦だったのだろうか・・・?それと深度調整の不備なのか・・・不発の爆雷が甲板の上を転がって行くシーンが印象深いです。
D実は「ビロウ」の前半の場面で、救助された英国病院船の看護婦の女性が、艦長の哨戒日誌の中から手書きのメモ紙片を発見するのですが・・・そこにはタイガーシャーク号が撃沈した独潜水母艦≠フシルエットと十字≠フイラストが・・・この時点で私ATFはオチ≠ェ解ってしまいました・・・安直すぎる・・・って!
Eこの作品の撮影には、ミシガン州で二次戦記念艦として保存されていたガトー級潜水艦USSシルバーサイズ(確認戦果23隻撃沈)が使用され、またそれをモデルにリアルなセットが再現されています。そして固定カメラを多用したカメラアングルとフィルムノワールを彷彿させる暗さ≠フ強調により視覚効果を増大させ、効果的に恐怖を醸し出しています。超メジャーな俳優が殆んど出演していないってのも新鮮で良いのかなぁ・・・。
Fこの「ビロウ」ホラー映画としては非常に中途半端な演出で・・・結局は最後まで○うれい≠ヘハッキリ姿を現しません・・・不思議な出来事が次々と起こってピンチを引き起こすのですが、全てが人為的な説明を出来ない訳ではありません・・・いきなり鳴り出す蓄音機だって、偶然ベニー・グッドマンのレコードがセットされていたのが弾みで鳴り出しただけ、とも言えるし・・・今になって考えてみれば、この「ビロウ」って作品はオカルト≠ニかホラー≠チて訳じゃないのでは・・・と言う事が朧げながら見えてきました。英国病院船の○○≠竍艦長の不慮の死∞女性生存者の乗艦≠チてマイナスな要因・・・見えざる敵・・・から引き起こされたタイガーシャーク乗員たちの集団ヒステリーが徐々に悪化・・・精神的に追い詰められて行く幹部士官以下の乗員達。そして酸素不足と二酸化炭素濃度の増大による幻覚症状の発生。物語は悲劇へとまっしぐら・・・。こう言う意図で作られた映画だったんだぁ!「ビロウ」って・・・やっぱホラーじゃないんですよ。心理サスペンス劇です・・・きっぱり!でもトゥーヒー監督、もうひと捻りほしかったんですけど・・・。

【サブマリン・ホラーミステリーって・・・言われてもねぇ・・・】

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04月30日(水)
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