ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File084】漆黒の大陸・・・多勢に無勢【後編】
南アフリカのインド洋沿岸ナタール地域住むズールー族が19世紀初頭にシャカ王(ディングスワヨ:在位期間1816〜1828)により統一されて建国した誇り高き戦士たちの王国。シャカ王はアフリカで初めて実戦的な軍事改革を行った・・・それまでの部族間の戦争っていうと、よく以前ドキュメンタリー番組(「すばらしき世界旅行」とか「知られざる世界」とか)で紹介されていたように儀礼的な戦争≠ェ主だった。所謂、集団で戦いの踊りをやって相手を威嚇するってヤツ。それがエスカレートして入り乱れての乱戦になって殺した敵の戦士を喰っちゃったり・・・敵のパワーを得る為・・・人喰い人種なんて言葉が生まれる訳ですが・・・殺傷力の大きい幅広の矛先の槍や全身を覆う大きな盾を装備した軍団は「猛牛の角」と呼ばれる陣形(中央部隊が敵主力を引き付けている間に、両翼部隊が迂回して包囲、更に予備部隊を一気に投入し、敵を殲滅する)を多用し、周辺部族を次々に支配下に入れて行きます。1818年には内乱で一時分裂しますが再統一され、1838年には英国によりケープ植民地から追われたボーア人(ブール人とも言う:オランダ系南アフリカ移民)と交戦、オレンジ自由国の成立(1854年)は許しますが、ナタール海岸線沿いに勢力圏は死守します。その後、部族の全権をセテワヨが掌握、英国の植民地政策に抵抗して1879年、1883年、1887年の三度に渡って戦います。緒戦においては各地で英国軍を破りますが、近代兵装(後装式ライフル銃やロケット弾といった最新式(19世紀後半当時)の火器)を装備した英国本国からの増援を受け物量的に優勢な英国軍により、最終的に破れ去ります。現在もなお南アフリカ共和国の一部で独立闘争を続けている・・・らしいですけど。でも圧倒的に兵力の勝る近代的軍隊を、弓や槍を主に装備した軍隊で破った事は、1929年にリビアを侵略したムッソリーニのイタリア軍をオマール・ムクタール率いるイスラム教徒が撃破した・・・「砂漠のライオン1981」・・・とともに戦史上に残る出来事として評価されています。海外専門サイト
【ズールー戦争を観よう!】
さて世界に君臨した大英帝国の軍隊を弓と槍と楯で破った戦いを描いた作品としては、現在2種のソフトが発売されておるのですが、実は以前、恥ずかしながら私ATFは、この2種の作品を同じ作品だと思っておったんであります。それは両方の脚本を担当していたのがサイ・エンフィールドなる人物(1963年版「ズール戦争」の製作・監督/代表作「SF巨大生物の島(JULES VERNE'S MYSTERIOUS SLAND1961)」)だった為なんですが・・・お恥ずかしい限りであります・・・
【ズール戦争(ZULU1963)】
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04月20日(日)
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