ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File041】あゝ邦画戦争映画は燃えているか・・・突入編【ネタバレ警報】
言わずと知れた事ですが、警察も軍隊も階級・命令を基にした組織です。従がって上官の命令が絶対な訳です。まあ警察は治安維持・犯罪捜査が主な任務の為、例えば戦闘下の軍隊の様に命に係わるような命令を命じられる事はないでしょうが、この作品では、山荘突入の決死隊員を募る場面で、警視庁側の志願者が決定した後、長野県警機動隊幹部が「部下が死ぬような命令は出せない」と人選命令を拒否する場面があります。「それじゃあんたが志願しろよ・・・俺も行くから」とは佐々氏のセリフ。似たような場面、どっかの戦争映画(ハンバーガー・ヒルだっけ)でみたな〜ッ。階級組織として各々独立運営されている地方警察機構、基本的に日本の警察は国家公安委員会・警察庁の下で自治体警察・分権主義によって指揮運営されているので、当然長野県警側は管内で発生した事件は自分達で解決するって意気込んでるんですが、警察庁長官判断により安保闘争で場慣れした警視庁(首都である東京都の自治体警察)から指揮幕僚幹部・機動隊の応援派遣が決定されるのですが、これは独立意識の強い長野県警にとっては名誉とメンツに係わる大迷惑な訳です。この辺は「二○三高地」で旅順要塞正面攻撃が停滞し損害ばかり急増した乃木大将麾下の第三軍司令部に、大本営から大山巌参謀総長が作戦指導に来る(28サンチ攻城砲を持ってくる)のに似ています。警視庁から応援派遣される警視庁幕僚班のトップが長野県警本部長と同階級警視監≠ナある人物が選ばれるのも、階級や年功がモノを言う警察(軍隊)ならではの問題を意識した決定なのでしょう・・・。作品中では、対抗意識を燃やし何かと突っかかる長野県警(でも慣れない事から失敗が多い)を、警視庁側が絶えずメンツを立ててやる(最後の突入場面も先頭は長野県警隊員)様に描かれています(長野県警怒らんか・・・事実だから生姜無いか?)が、この辺も「パリは燃えているか」で、最後のパリ入城一番乗りをド・ゴール将軍指揮下の自由フランス軍に譲ってやる英米軍に似てますな・・・。
A戦闘場面演出的考察
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05月13日(月)
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