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ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File019】男たちのガチンコ対決
【マーフィーの戦い】
いきなりUボート(う〜む?ベネゼエラ海軍の沿岸警備型潜水艦カリーテ(Carite/元米潜SS-307タイルフィッシュ改装))の機銃掃射。漂流する英海軍水兵たちの阿鼻叫喚シーンから始まる作品。たぶん南アメリカ沿岸を哨戒中の英海軍の商船改造仮装巡洋艦(原作による)が、Uボートの奇襲攻撃により撃沈され、ただ一人生き残るのがマーフィー兵曹。地元の女医(演じるはショーン・フィリップス。実際のオトゥール夫人)に助けられ、疵を癒した彼は漂着したグラマン・ダック水上機を修理、手製爆弾を搭載して憎きUボートに戦いを挑みます。マーフィーが修理したダック水上機で離水しようと水上滑走するシーンは迫力満点。フロートが機体と一体になったダック水上機ならではのタフさで、普通のフロートじゃモロ折れちゃいそうです。爆撃によりUボートを損傷させますが、愛機も損傷・・・止めを刺す為、石油会社のクレーン船(好きだなぁ、この船)を徴発し、Uボートの不発魚雷を逆用して最後の攻撃を・・・しかし、その時点で戦争は終わっていたのでした。もはや復讐心に凝り固まったマーフィー役をピーター・オトゥールが熱演・・・。原作で登場するのはソードフィッシュの水上機タイプです。
【太平洋の地獄】
映画史上でも珍しい、登場人物が全編を通じて二人っ切りという凄い映画。主演は世界のミフネ≠アと三船敏郎と、いぶし銀の演技が渋いリー・マービン。戦略的価値も無く、文明社会から忘れさられた南海の孤島に漂着した日米の海軍将校。互いに軍人としての意地を張り合い、捕虜にしたり、されたり、ただ相手を支配することを繰り返す内、そのむなしさ、無意味さに気づき、協力してイカダを作り脱出を図りますが・・・なんでもエンディングシーンは複数あるそうです・・・これまたカルト戦争映画上位入賞間違いなしの作品です。
【ラストウォリアー最後のサムライ】
この作品も南海の孤島が舞台。その島に住む沿岸監視員?≠フアメリカ人と、損害を受けた艦隊の泊地を探す為にその島にやって来た日本海軍の特殊部隊員?≠ェ死闘を繰り広げるカルト作品。主演はアメリカのテレビ俳優ゲイリー・グレアムと同じくテレビ俳優で日本ヤクザ役が良く似合うケリー=ヒロユキ・タガワ(かのパール・ハーバーでの源田大佐?役)。日本軍の特殊部隊員は、もはや忍者以外の何者でもありません。最後は日本刀の火花散る大チャンバラ・アクションシーンが展開されます。共演の修道女(マリア・ホルヴォー)の妙に色っぽい姿が・・・。
【最後の弾丸】
同じタイトルでジョージ・ペパード主演の西部劇がありますが・・・かの柘植久慶氏原作による、日豪の兵士が対決する戦争映画の佳作。原題は「最後の遭遇」戦争末期のボルネオのジャングル。万歳突撃≠ナ生き残った日本軍狙撃手(元猟師、妻子を米軍機の機銃掃射で失っている:演じるは玉置浩二)とオーストラリア軍の新兵(狙撃兵ではなく普通の歩兵、演じるはジェイソン・ドノバン:豪州の人気歌手)が、互いに最後の一発になるまで闘いを続ける。何処となく松本零士$場漫画ワールドを彷彿させる作品ではあります。地雷原に踏み込んだ現地人の少女を助ける為、最後の弾丸を撃つ日本兵の脳裏には死んだ我が子の姿が・・・。戦後二人が再会するシーンは涙を誘います・・・。
【デュエリスト】
二次戦ものではなくナポレオン戦争を舞台にしたリドリー・スコット監督の傑作。タイトルは「決闘する者」の意。些細な事から生涯を通じて決闘≠オ続ける事になった二人の軽騎兵士官(キース・キャラダインとハーベイ・カイテル)ナポレオン戦争の全時期を通じて決闘をし続け(いつも決着がつかず)る二人の姿を通じ、ナポレオン麾下の大陸軍(グランダルメ)の華、軽騎兵の日常や過酷なロシア遠征、ワーテルローまでの百日天下などがしっかりと描かれています。ナポレオニックな方々も一押しの作品。名誉と矜持≠賭け決闘≠繰り返す二人の男の人生って、一体何だったんでしょうか・・・。
【対決】
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12月23日(日)
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