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せきねしんいちの観劇&稽古日記
by せきねしんいち
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■「放課後の卒業式」本番その2 3軒茶屋婦人会「女中たち」 写真撮影
 ひなだんの子ども達のまんなかにいる氷が、立ち上がって、さっき取り上げたボールを投げ返す。投げたあと、するっとまた座るヒデキくん。
 空から落ちてきたボールを受け取って、今度はまた見えないボールにそれぞれ氷へのメッセージを書いて空に投げる4人。遠くのボールを見送って、終わり。
 ひなだんも前に一列に並んでお辞儀して、彼らもひな壇に上がっていく。
 で、「卒業証書授与」。高木先生への卒業証書を、みんなで読み上げていく。といっても、卒業証書自体はない。みんなで前にいるだろう高木先生に向かって、言葉を伝えていく。この卒業証書のなかみは、みんなに書いてもらったものを篠原さんが構成したものだ。印象的なフレーズがいくつもある。カイくんが書いてきた「リストラされんなよ!」も、ちょっとていねいな言い方になって、ちゃんと生きている。
 「卒業おめでとうございます!」と全員で言って、最後の歌「華道(さくらみち)」が始まる。「大切な友情」もそうだけど、誰に歌ってるのかがちゃんとわかる歌って、なんて心に届くんだろう。子供たちがみんなでつくったメロディも、畑先生の編曲もすばらしい。
 歌が終わって、終奏になると、子ども達は体育館を出ていった高木先生にむかって走り出す。「全員が」じゃなくて、行きたい人だけ。きっちり並んだひなだんの列から、降りていくのは、簡単なことじゃないのに、彼らは当たり前のようにやってのけた。手を振り、声をあげながら。そして、最後のピアノの音と一緒にゆっくりと暗くなっておしまい。
 僕は、体育館入口で暗幕を押さえながら見ていたので、子ども達が手を振る姿を正面から見るかたちになった。特等席だ。
 子供たちは、全員がいったんひな壇にもどって、下級生にお礼の言葉。そして「送る会」は終わった。午後には、保護者向けの発表が、もう一回ある。
 昼休み、校長室で、給食をいただきながら、感想を言い合い、確認をいくつか。「未来の友情」の暗転の話は、ここで聞いた。「じゃあ、今度はどうする?」という話になったのだけれど、「さっき、できたんだから、今度もだいじょうぶ。彼らを信じよう」とそのままで行くことにした。
 午後の発表と、その後のシンポジウムに向けて、劇作家教会のみなさんが、続々来校する。横内さんとごあいさつ。
 午後、舞台の確認をしてから、特活室に集合。みんなと最後の打ち合わせ。さっきの感想を伝えて、最後の「作戦タイム」をチームごとに。「未来の友情」チームでは、午前中の感想を言い合ってもらった。いいこと、よかったことがたくさん出たほかに、「あそこが困った」というのもいろいろ。セリフが出ないと思ったので、先につづけたら、あとから言われて困ったという話。言われたライアンくんは、「どこ忘れたの?」とよくわからないようす。「作戦タイム」の時間が終わって、集合するまでの短い間に「僕、どこ忘れた?」と聞かれた。僕も「あそこだよ」とちゃんと言ってあげられなかったので(ごめん)、「もし、また間違えてもだいじょうぶ。さっきと同じように、みんながたすけてくれるから。覚えたことをそのままやってごらん」と話す。
 彼は、僕に「セリフってどうやって覚えればいいんですか?」と聞いたことがある。日本語のセリフを、しかもあんなにたくさん覚えるなんて、僕が同じ立場だったら、とてもじゃないけどできないと思う。でも、彼はほんとによくがんばった。彼のがんばりが、みんなのやる気に火を点けたと思う。
 午後の発表は、保護者のみなさんと、来賓のみなさんの前で。
 今度は、さっきと反対側の客席の上手側奥、子供たちがスタンバイしているあたりに立ってみさせてもらう。
 二度目ということもあり、のびのびとしたいい芝居になった。大人たちを前にしてみると、午前中の下級生のノリがどんなののびやかですばらしかったかがよくわかる。保護者のみなさんは、ちゃんと見ていてくれるけど、反応がおとなしめ。花道をはさんで反対側に座った劇作家教会のみなさんは、笑い声をあげながら見ていてくれて、子ども達はどれだけ、やりやすくなっただろう。そして、無事終演。

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02月25日(土)
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