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あんた何様?日記
by 名塚元哉
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■シン・ゴジラ楽しみだな〜。
ゴジラ出現によって、人間の恐ろしさをも映し出す本作は、
公式サイトにアップされた庵野総監督のコメントの言葉を借りれば
“現実のカリカチュア”だ。本作のゴジラの目は、
庵野総監督の強いこだわりから、いちばん怖い人間の眼をモデルにしたと聞く。
さらに本作で謎の巨大生物を「ゴジラ」と名づけ、
消息を絶った教授(シリーズ第1作へのオマージュを捧げられたキャラクター)は、
宮沢賢治の詩集『春と修羅』を残した。
修羅(阿修羅)とは仏教で、自分の正義に固執した結果、善心を見失い、
悪となって天界を追われたとされる。
我々人間は、地球上で、身勝手な正義にこだわって来なかったか?
という一石を投じられた気分になる。
そんな現代社会に肉薄した“現実”に対して、“理想”の部分はどう描かれているか?
「想定外」のゴジラの出現に混乱する日本政府だったが、
やがて異なる意見を持ちながらも、それぞれの立場を越えて対策を練っていく。
矢口率いるゴジラ対策チームの面々は、次第に日本ならではのチームワークの良さを発揮する。
矢口の焦りを落ち着け、支えてくれる仲間
(松尾諭、高良健吾、塚本晋也、高橋一生、津田寛治、野間口徹ら)の存在が、
矢口を一国のリーダーに、ゴジラと拮抗する魅力を放つヒーローへと仕立て上げる。
日本のために一丸となって、世代も境遇も違う人たちの輪ができていく様子には、確かな共感がある。
チームを支える日本的なモチーフにもグッとくる。
不眠不休で仕事に励むチームのメンバーに差し入れられる、
おにぎりや熱いお茶に込められた心遣い。忙しい中でも、食事の後には「ごちそうさま」と
挨拶を忘れないメンバーの感謝の気持ち。
小さなエピソードの積み重ねが、チームの中にふしぎな一体感を生む。と同時に、
それを目撃する観客の心に、果たしてこれは
“理想”に過ぎないのだろうか? という疑問が浮かび上がるのだ。
「知恵は多い方がいい」という矢口のスタイルは、
昨今流行の個人プレーとは真逆のチームワークで、世界をも巻き込んでいく。
ある国の責任者は、リスクを承知の上で「人間を信じましょう」と日本の申し出を歓迎する
(これもまた“理想”に過ぎないのか、という疑念が観る者の心を揺さぶる)。
復興後のことまで考えた上で、多少の犠牲はやむなしと考える、
現実主義者の赤坂とは対照的に、矢口は理想主義者だ。
政治家としては未熟なのかもしれないが、ゴジラのような見たこともない脅威にさらされたとき
“理想”とそこから生まれる“想像力”こそが、
人間の唯一の対抗策なのかもしれないという思いが、
物語に入り込むにつれて、じわじわと胸に広がっていく。
10年後、すなわち40代で内閣総理大臣のポストを狙い、
出世街道を突っ走ってきた矢口が、最初の異常事態に関する対策会議の席で、
柄にもなく「巨大不明生物」の可能性を提言して、一笑に付されるシーンがあった。
政治家となった矢口の心にも、ゴジラに魅了された、
少年の頃の自分が潜んでいたということだろう。
現在の自分を形作る、過去の自分の未知なる世界や未来への憧れ。
……もしも映画が“理想”を描くものであるならば、
本作のテーマは“現実 VS 映画”と言ってもいいかもしれない。
そんな庵野総監督の強烈な自負心も感じた。
未来へつなぐ問題提起と未来に残る感動を心に刻む、
日本が世界に誇る、新しいゴジラ映画が誕生した。
いよいよ9日後に公開が迫った『シン・ゴジラ』の情報が一挙解禁されました。
レビューを読むと期待値が上がりに上がりますね!
先月の中旬ぐらいに「まだ完成してない」という報道もあって、
公開が先送りになるんじゃないかと不安もあったのですが
当初の予定通り7月29日に公開されるので安心しました。
まだ9日も我慢しなきゃいけないのかっ!という気持ちもありますが楽しみです。
阪神淡路大震災後に作られた怪獣映画『ガメラ2 レギオン襲来』などは、
その経験を生かし現実のリアルを怪獣映画という虚構の世界に反映させていましたが、
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07月20日(水)
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