ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■高橋徹也 × 山田稔明『YOU'VE GOT A FRIENDーCan we still be friends?』
高橋徹也 × 山田稔明『YOU'VE GOT A FRIENDーCan we still be friends?』@good tempo
いや〜よかった、 納涼〜
[image or embed]— kai (@flower-lens.bsky.social) Aug 4, 2025 at 1:43
オープンしたてのgood tempoは教室をリノベしたカフェ&ライヴスペース。オープンキッチン、鉢植えの緑があちこちに置かれており、DJブースもフロアと地続き。客入れDJってどなただったんだろう? 格好いい選曲にサイレンや鳥の声といったSEを噛ましていて印象的。で、もうこの時点で音がいい。スピーカー(カフェ用とは思えないくらいデカい)の配置もあるのかな。ステージもフロアと同じ高さで、ソファも置かれている。高橋さんと山田さん、ふたりがくつろぐリビングに招かれたような気分になる。
柿落としは野宮真貴さんでvol.1なんだって。俺たちvol.0なの。柿落としとは? テストランみたいな感じ? などと話してまずはふたりでセッション。立ち位置は昨年の『YOU'VE GOT A FRIENDーApril Fool edition』とは逆で下手側に高橋さん、上手側に山田さん。ギターは高橋さんがギブソンのエレクトリック1本、山田さんは曰くつきの(後述)エレクトリック1本とアコースティック1本。高橋さんは紙の楽譜、山田さんはタブレットというのは変わらず。どちらも涼やか、でもある種の熱を持っている。それは声にも演奏にも顕れる。ふたりの声のハモり、ギターの絡みもそう。ソロでもデュオでも、酷暑にひとすじの風を連れてくる。
『April Fool edition』ではふたりとも出ずっぱり、交互に演奏して片方のソロをもう片方がステージ上で聴く(!)というなかなかシビれる趣向だった。今回もそうなのかな? 演奏しない間は後ろのソファに座って聴くのか? それはそれで緊張感あるな……などと思っていると、山田さんがハケていく。まずは高橋さんのソロから。しんと静まり返ったフロアに、澄んだ声が沁み渡る。
「そんなに好きってわけじゃないんだけど、気付けば夏や海の曲が結構ある。『太平洋』って作品もあるし」「陸サーファーみたいな感じ」と夏らしい曲を中心にセレクト。Ben Wattのカヴァーはレアでしたね、これも海の曲。そして「代表曲」として「新しい世界」「犬と老人」を演奏し、「近年は配信のおかげもあるのか、海外のひとがカヴァーしてくれたり、とても若いひとが『初めてライヴに来ました!』といってくれたりする。そうして新しいリスナーが増えるのはうれしいこと。だから勿体ぶるのをやめました」みたいなことをいいつつ「まあ、次来てくれるか分からないし」なんてこともいっていて、ヤマアラシのジレンマがそこかしこに顔を出していた。
後攻の山田さん、「『新しい世界」』をやりやがった……」「『新しい世界』をやられると、くそっ『新しい世界」』やりやがった! とギィイとなる」なんていってた。何をいってる、山田さんも伝家の宝刀何本も持ってるやろが! と九州弁でツッコミたくもなる。わしゃ「月あかりのナイトスイミング」を聴くと反射で涙が出るんだよ! 「光の葡萄」も聴けてうれしかったなー。
「僕たちの旅ー自己嫌悪’97」がつくられた経緯は初めて知った。高橋さんの「真夜中のドライブイン」MV撮影現場に山田さんがいたことはよく知られていますが、これが発端だったとのこと。すごいやつがいるなあ、俺は映像制作会社に就職して、バンドは趣味みたいになってて、何者でもない。その自己嫌悪がこの曲をつくらせたと。「歌から入る曲だけど、実はイントロがあるんです」と弾いてみせると……まるっと「真夜中のドライブイン」からのインスパイアというかオマージュというかなフレーズ。「怒られる!」だって。内緒ね、内緒! 本人バックヤードにいて聴いてるけどね! 貴重なものを聴けた。そして「グランドピアノが置いてあるところではピアノを弾こうと決めたので」とピアノも演奏。山田さんって常に場をよく見ていて、その場をどう活かそうか考えている印象がある。
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08月03日(日)
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