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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『終点 まさゆめ』
『終点 まさゆめ』@彩の国さいたま芸術劇場 小ホール
『終点 まさゆめ』心のふるさとさい芸、今年も宜しくお願いします。新年1本目に松井周×菅原直樹のタッグというゴリゴリの噛み応え。コロナ禍で中止になってしまった『聖地』のリメイクがこうなるとは! ゴールドシアターのメンバーとも再会出来てうれしかった
[image or embed]— kai (@flower-lens.bsky.social) Jan 11, 2025 at 18:56
さい芸の小ホールは、青山円形劇場が使えない(なくなったとはいわない。ずっと劇場はあの地に「在る」のだ)今、いちばん好きな劇場空間。
『聖地』から約15年。2021年に上演予定だった『聖地2030』はコロナ禍により中止となり、その年の年末にゴールドシアターは解散。『水の駅』が最終公演となった。
・【公演中止】さいたまゴールド・シアター第 8 回公演 『聖地2030』┃彩の国さいたま芸術劇場
蜷川幸雄の死後も、さい芸は高齢者による舞台づくりを継続している。2018年に開催された『世界ゴールド祭2018』で、岡山を拠点とするOiBokkeShiがさいたま初登場。『よみちにひはくれない』浦和バージョンが上演され、そのことが『聖地2030』の、そして今回のコラボレーションに繋がったと思われる。さい芸の渡辺弘氏の尽力も大きい。年明けからヘヴィーな観劇になりそうという不安と、いやいやこのふたりの作品なら単にしんどいだけで帰らせないだろうという期待を抱えて与野本町へ。結果、笑顔で劇場をあとにした。
ロビーには出演者の顔写真とプロフィールが展示されていた。「今日の『もと』を当てましょう! 応援したい出演者を選んでください。当選者には景品を差し上げます!」と書かれた箱には、出演者の顔写真カードが入ったネックストラップが積まれている。「『もと』ってなんだ???」と思いつつ、ひとりを選ぶ。ちょっと恥ずかしいので(笑)首から下げず手に持って入場。
スタッフワークも上質。ステージにはテーブルと椅子、天井にはミラーシート、フロア上手にはミラーボール。カワイイ宇宙と不気味な祝祭空間を同居させる。下手に設置されたデジタルサイネージには、出演者の全身像が順番に映し出され……んん? 人物が入れ替わる際混ざっている! あのーあれよ、マイケル・ジャクソンの「Black Or White」MVみたいなやつよ。モーフィングというのかな。男性が女性に、若者が老人に、小柄な人物が大きな身体に……開演迄の時間、見入ってしまう。舞台美術は森純平と志賀耕太とクレジットされていたが、映像もそうだったのだろうか。人間が混ざる。混ざったことで新しい人間が生まれる……とても印象的だった。衣裳は小松陽佳留。ハイバイ『おとこたち』で衝撃を受け、以降小物の見立てが素晴らしいな、誰だろうとクレジットを見るとこの方の仕事、ということがとても増えた。今回は黄色いスカーフひとつで未来のファッションを表現。かわいいし面白い、誰だろう? と当日パンフレットを確かめると小松さんだった。シルバーとイエローに明るい未来、舞台奥の暗闇は死の色濃い宇宙空間。怖いコントラスト。
さて、ピンコロ目指して幸せな老後を過ごせる惑星「まさゆめ」へと高齢者たちは宇宙船で旅立つ。リビングルームのようなスペースで、自己紹介をしつつ「まさゆめ」に着いたら何をしたいか語り合う。牡蠣養殖家、宮大工、音楽プロデューサー、看護師……自分の生業を「まさゆめ」でも活かしたいひと、働きづめだったから「まさゆめ」ではのんびり過ごしたいひとと、夢見る「老後のくらし」はさまざま。ひとりだけ明らかな若者がいることに違和感を残しつつ談笑していると、事故が起こる。燃料不足で、ひとりだけ船から降ろさないといけないとAIはいう。これから7分以内に、誰を降ろすか議論し決めてください。「役に立たない」ひとを選んでください。
「役に立たない」人間もAIが選べそうなもんだが、それを当事者(人間)同士の議論で選ばせるというところが残酷。AIの卑怯というか姑息というかおまっAIなのに責任逃れすんなよなどと思う。その後宇宙船は海賊に襲われたり感染症が蔓延したりするのだが、その都度「不要」な人間を選ぶための議論が行われる。
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01月11日(土)
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